いたずらな三匹(「見上げ入道」)

水木道みずきどう」の「求道者」に言わせれば、「鬼太郎」は「ゲゲゲ」よりも「墓場」なわけだが、「ゲゲゲ」にもたまらん魅力の作品はいくつもある。と書いて、すぐに思い出すのが「ちくま文庫版ゲゲゲの鬼太郎①妖怪大裁判」にも収録されている「見上げ入道」。この作品の魅力は、ストーリーや鬼太郎や見上げ入道ではない。三匹のいたずら者である。輒ち、見上げ入道に誘拐され、強制的に「妖怪学校」で授業を受けさせられている、「いたずらな虫(毛虫)」「いたずらな猫」そして「いたずらな子供」の三匹だ。彼らの「学校生活」の「あの感じ」は、水木漫画的魅力が滴り落ちんばかりで、たまらない。気に入った音楽のサビの部分のような中毒性すら感じる。また、毛虫の呟く「おいら、そんなに生きられるかな…」も、けだし名言。だって、毛虫だもの。


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