NHK「ニュー試」:メモ2

第一問の「解説」でイラッとしてメモを書き始めてしまい、そのまま続きを視聴しないでいた「ニュー試」(NHK)を、さっき最後までを観た。

番組そのものはオモシロかった。

が、第二問のチョコレートを割る問題でも、やっぱり「これって、わざと?」と思ってしまった。全員正解だった第一問とは違って、第二問は、三人のうちで正解したのは女の出演者一人だけだったから。男二人が「落第」して、女の人が面接を受けることになったあの流れは、もしかしたら「台本通り」なのかもしれない。

けど、まあ「男二人は本気で第二問に取り組んで間違えた」という体で話を進める。

【問2】
長方形のチョコレートがあります。
これを28等分するとき、最低何回割ればいいでしょう?
割るときは、同時に複数枚割ることはできず
1枚ずつしか割れません。
①18回 ②19回 ③23回 ④27回 ⑤28回

(2020年 ケンブリッジ大学 哲学部)/NHK

正解が④の27回なのは、問題文をちゃんと読めば分かるはずなのに、正解したのは「数学が苦手」な女の出演者一人で、男二人はそれぞれ③と②を選んで間違えていた。

この問題の「罠」は「等分」で、これに引っかかると、「最初の長方形を半分に分けて、その分けた二枚それぞれを更に半分に…」という面倒臭いところに迷い混んでしまう。

「等分」は考えなくていい。元々のチョコレートから、小さいチョコ(だいたい28等分の1つ分くらいの大きさのチョコ)をペチペチ折り取っていく様子をイメージできれば、それであっさり答えは④の27回だと分かる。

「チョコを割る」で考えるから、余計なことを考えて間違えてしまう。大きい鍋のスープを28人で分けて飲もうとしたら、器は最低何個必要か、とか、一升瓶の酒を28人で「乾杯」しようと思ったら、酒器は最低で何個必要かと考えてみれば、簡単に分かること。一人は鍋や一升瓶から直接飲めばいいから、器は27個あればいい(行儀が悪い?)。

もう一つ。問題文は、予めチョコレートに28等分できる線を引いておくことを禁止していない。単に「何回割ればいいでしょう?」と訊いているだけ。だから、作業を始める前に28等分の線を描き、その線に沿って適当に折り取っていけば、最終的にちゃんと28等分になる。つまり、折る工程で律儀にいちいち「半分」にする必要はないのだ。にもかかわらず、間違えた男の出演者二人は、最終的に等分にするには、チョコを折るときにはいつも正確に半分ずつにしなければならない、と勝手に思い込んでしまっている(節がある)。

だが、そもそも、正確に半分ずつに折っていっても、最後に28等分にはならない。28の半分は14で、その半分は7なので、7を半分に割った時点で、もうアウト。そのままゴリ押しで「半分作戦」を続行すれば、最終的に現れるのは32等分されたチョコレート(逆に言えば、32等分なら「半分作戦」でも達成できる。因みに、折る回数31回)。

28は偶数だから等分になると思い込んでいる?

最終的に目的地に到達できないという、決定的な欠陥は脇に置くとしても、「半分ずつ折っていく」手法だと、工程が進むたびに、折る必要のあるチョコレートの枚数が増えていくので、それだけで泥沼。「1回折って2枚、次は2回折って4枚、次は4回折って8枚で…で、今全部で何回折ったっけ?」という感じのアタマの悪さ。そうではなく、「大きい1枚から、27枚折り取れば、全部で28枚になる」ことに気づけば、ないアタマを使う必要もない。折る必要のあるチョコレートの枚数がずっと一枚のままで、増えないからだ。


【追記】
でも、こういう遊びをやるキッカケを与えてくれるテレビってありがたいよね。あと、あの女の出演者はナニモノなのだろう? 問題の「解き方」や面接の様子を見ていると、かなりアタマが良さそうだった。それに引きかえ、斎藤さんじゃない方の男の出演者はどういう立ち位置のヒト? 「アタマ良さそうなことを言うけど、実はそんなでもないことがバレバレのキャラ」で売ってるヒトなのかな? 少なくともあの番組ではそういうキャラだった。斎藤さんはちょっと可哀相だったよね。「僕が居る意味あります?」状態だったから。色々やったのにカットされたのかもしれないけど。

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