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「楽しいことだけして生きる」ことは可能か?

先日読んだ本に、
「ストレスを溜めずに生きる。心地よいと感じることだけして生きる」という、幸せのマインドセットについて書かれていました。

仕事も同じ。
「やらなきゃ」で動くのではなく、
「誰かに喜んでもらえるのが嬉しい」で動く。
と。

でも、この話を読んで、
私は自分の住む地域のバスの運転手さんを思い出しました。

運転手さんは、正直、楽しそうに仕事はしていない。
乗る時や降りる時に、私はいつも運転手さんに「ありがとうございます」と声をかけてはいますが、
それに対して返事したり反応してくれる運転手さんはごく僅かであり、バスがあることで乗客が喜んでいるということにあまり関心がなさげ。

これを読んでいる人にバスの運転手さんがいたら本当に申し訳ないのですが、
「運転手さん、仕事していて楽しいのかな」と思ってしまったことがあります。

けれど、バスという交通手段があることで私たちの暮らしや観光は助かっているし、
子どもが「もう疲れた!歩けない!抱っこ!」と言っている時には本当にお世話になりました。

だから、本に書かれたマインドセット「心地よいことだけして生きる」を実践したとして、

運転手さんが「楽しくないからもう辞めた」となってしまったら、

私たちの暮らしが危うくなる!
それは困る!

皆がラクな方に流れたら、社会が回らなくなるよ…、と思いました。

けど、そこでふと我に帰る。

著者の先生は何も、仕事を辞めろとは言っていない。マインドセットが大事なんだと言っているだけ。

そこまで来て、10年ほど前にアメリカにホームステイに行ったときの出来事を思い出しました。

そこはいわゆる住宅街で、決して観光地ではないところ。

留学先の大学に行くのに、いつもホームステイ先から大学までバスを利用していました。

その路線のバスは、まぁ時間通りには来ない。
遅れて来ても、特に謝罪なし(乗客も、遅れてくるものだと思っているからあまり気にしていない)。

でも、運転手さん、すっごく楽しそうに仕事しているんですよね。

乗る時にはHi! と元気に挨拶してくれるし、
降りる時にはHave a good day! と送り出してくれる。
別に挨拶が義務付けられているわけでもなさそうで、挨拶しない方もいましたが、その方は今日の天気なんかを車内放送で教えてくれていました。
レゲエ?の音楽をかけて、笑顔で楽しそうに運転している方もいました。

そんなバスに乗ると、毎日こちらもいい気分になっていたものでした。

これ、
自分のできること(バスの運転)を通じて、誰かが喜んでくれるという「仕事の根本」だよな?
それでもって、運転手さんは辛そうではない。楽しそう。「心地よいことだけして生きている」をまさに実践しているではないか!!

私が一旦思った、

「バスの運転という、決して楽しくはない(なさそうに見える)仕事をしてくれている人がいるから、社会が回っている」

のではなく、

「バスの運転手さんが楽しく仕事することで、社会が回っている」

が実践できるのだと!

でもじゃあ、日本のバスの運転手さんが
遅延しても平気だったり、
乗客一人ひとりに挨拶したり、
天気を伝えたり、
ましてや音楽かけて運転できる環境か?

と言われたら、NOなんですよね。

日本社会をもっとゆるめたい!
ガチガチに、正解や規律を求めるのではなく、

時刻表通りじゃなくてもいいじゃない、
好きな音楽かけて運転しててもいいじゃないと
言える空気を作りたいな、と
強く思いました。

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