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どうしてペットショップ(生体展示販売)はダメなのか?

私は正直ペットショップ自体が悪ではなく、そもそも命を命として扱わない人間がいることが最大の悪だと思っています。ただ今回は何故ペットショップがいけないと言われているのか、その理由のいくつかを話そうと思います。


①流通過程での死亡数

まずあまり知られていないのが、繁殖業者からペットショップに犬猫が運ばれるまでにオークションが行われていることです。

ブリーダー → オークション →ペットショップ という流れがあって生後56日程の子犬子猫が親元を離されて移動することになります。
ペットショップから犬猫を迎える際に、「お迎えして1週間ほどは環境の変化で体調を崩しやすい」と案内されるようですが、流通過程での環境変化も例外ではありません。
実際2018年の報告では、日本全国の犬猫流通数89万6126匹のうち約2万6000匹がその流通過程で死亡しているとあり、異常な状況といえます。死亡数は毎年度増えていく流通量の3%程度で推移し全く改善されていないのです。

②大量消費のための大量生産

生体展示販売がよくないと言われる理由はこれだけではなく、
全国にはたくさんの生体を展示販売しているペットショップがあり(2021年時点で9308店舗)、私はこれを立派な”大量消費”だと思っていて、そこに供給するための”大量生産”が行われていることは言うまでもありません。

繁殖業者(ブリーダー)の中にはその種を心の底から愛し、自分の子どものように育て送り出す優良なものもいます。ただパピーミル(子犬工場)キトンミル(子猫工場)と呼ばれる「命をお金としか考えない」悪質な業者がいることも事実です。

散歩にも連れて行ってもらえず狭いケージに閉じ込められたまま糞尿まみれの繁殖犬猫がいて、子供が産めなくなると殺されたり遺棄されてしまうこともあったといいます。
最近は繁殖引退犬猫を保護し里親募集をすることも増えたので、そのような事はもうないと思いたいのですが。

しかし2021年には長野県松本市の繁殖業者が、獣医師免許を持っていないのにも関わらずしかも無麻酔で母体を帝王切開したとして書類送検されています。子どもさえ取り出せればお金になるから母親は死なせてもいいというのでしょうか…。

③無秩序な交配

また、日本のブリーダーで問題となっているのが「無秩序な交配」です。そのせいで日本は世界でも突出して遺伝性疾患が多いとされています。この話は詳しく掘り下げたいので別の機会に話そうと思っています。

ペットショップ(生体展示販売)の問題点について今回あげたものはほんの一部でしかなくまだまだたくさんあるのですが、これだけでも凄く悲惨なことは伝わるはずです。

この現状を変えるにはどうしたらいいのでしょうか?
私が思う方法はまず、「ペットショップからは買わない」ということです。ペット産業に限らず需要のない市場は淘汰されるもの。「ペットショップからは買わない」という人が増え、儲からないと分かれば悪質な業者はおのずと離れていくはずです。

「買い物は投票」なのだから。

(生体販売をしている)ペットショップがなくなれば少なくとも前述の流通過程は崩れ、ブリーダーから直接迎える保護団体から迎えるのが主となります。今まで流通過程で亡くなっていた命は助かり、そしてパピーミルやキトンミルは大量生産の必要がなくなりそこでも助かる命があります。(若しくは苦しむ命は生まれない。)

そして私たちはそこで絶対に満足してはいけません。
悪質な業者の撤退によって行き場を失う命の受け皿を国や地方自治が愛護団体と協力し作っていく必要があるのです。



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