20190121note徳之島の秋前編

徳之島の秋 あとがき

 次の作品をアップするまでに、日数がかかってしまうと思われるので、忘れ去られないように、あとがきでお茶を濁すことにします!
 だいぶ前に書いた作品なので、いろいろ忘れてしまっていますが、それでも読み返すと、連想ゲームのように思い出してくるものですね。
 ネタバレもあると思うので、↓のリンクから作品を読んで、あとがきに戻ってきていただけるとうれしいです。


 まずは、拙いわたしの作品を読んでくださり、あとがきまで開いてくださり、心からお礼申し上げます。
 ありがとうございます!
 拙いなりに、そのときどきの精一杯のちからで、一生懸命に書いた作品たちです。いろいろ反省は多々あれど、大好きな作品たちで、恥ずかしいような照れるような気持ちになりつつも、読み返すたびに面白かった! だいすきだぁ!と思います。
 願わくば、同じような気持ちになってくださる方がひとりでもいらっしゃいますように!と思いつつ、執筆編集作業を行っています。

 さて、このコンテストの募集テーマは『徳之島の秋』でした。
 普通に季節の秋のことを書いても面白くないしなぁと悩んでも悩んでもネタが出て来ない難産でした。

 最初に出て来たのは河童たち。
 徳之島にいっぱいいるモンスターで、強くはないんですが、足元に酸を撒き散らして、それを踏むとダメージを受けるので、わりと面倒なやつです。
 でも日本古来の妖怪で、いろんなマンガや小説にも出て来ますし、何となく親しみを感じますよね。
 UOの河童と言うよりは、マスコット的なキャラとして、河童を出したいな、と思って、主人公と河童の交流を書くことにしました。
 河童はモンスターだから、主人公と交流してもらうには、主人公に町や村から出てもらわねばならない、ということでお社参り。
 徳之島をロケハンしていると、結構お社を見かけるのです。
 あと沈没船を見つけて、何となく、ストーリーの流れが出来ました。

 しかし、秋! テーマである秋が難しい……。
 ただたんに、秋の出来事だったってだけでは弱い気がしました。
 彼岸花を出して、秋アピールはしまくりましたがそれでも……。
 彼岸花、キレイなのに有毒で、お墓の近くで良く見かけたり、異名の多くも想像をかきたてられます。
 子供の頃、通学路に秋になると咲く彼岸花が、キレイなのに、薄暗い木の根元のあたりにこっそり咲いていたりするのが何となく怖かったのを覚えています。
 滝平二郎さんの『花さき山』の絵本も脳裏に浮かびました。 子供の頃読んだ絵本で、タイトルも内容も忘れてしまっていたんですが、彼岸花を彷彿とするイラストが忘れられません。
 こうして思い返してみると、もっとうまく彼岸花を使えたら、もっと秋っぽくなったのかなぁとちょっと反省。
 彼岸花、もっとメインを張れる要素でした。

 そんなわけで、なかなか秋要素を入れられなかったのですが、全然関係ないことを考えているときに、アレを思いつきました。
 ネットで仲良くしている人たちが何人かいまして、いつかオフ会とかやってみたいなぁ~なんて妄想することがあるんですが、もしそうなったら何て呼び合うのだろう?!とかよく考えるのです……。 恥ずかしい。
 わたしは普通にいそうな名前だから問題ないし、他の人も適当に愛称っぽくしちゃえば問題ない。
 でも愛称にしづらい人もいますよね……。
 本名の苗字で呼ぶ? でもハンドルネームより距離を感じちゃってイヤだな。
 下の名前? いやいやいや、近すぎる! 恥ずかしくて無理!
 あ! ねぇねぇ!って言ったり、腕とかツンツンしたりすればいいんじゃね? 名前呼ぶより親しげで良くない? あ、でも、親しげすぎる?!
 などなど妄想がぐるぐると渦巻いている中で、主人公の名前とストーリー展開が決定したのでした。

 他にも、自分のおばあちゃんとの、名前に関わる思い出もネタ元になりました。
 うちのおばあちゃんには、孫が8人おりまして、たとえばわたしの名前を呼ぼうとすると、孫全員の名前を呼び終わったいちばん最後に正解の名前が出てくるという、器用なボケをする人でした。
 いつもそうなので、わたしも他の孫たちも慣れたものですが、それでもうれしくはないです。 名前ってやっぱり大事だよなぁとよく思いました。
 愛情がないわけじゃないのはよくわかってます(笑) アキのおばあちゃんも愛情がないわけじゃないんじゃないんですよ。
 でも二人暮らしだと、お互いしかいないから、名前を呼ばなくても物事が進んでいきますよね。 それはそれで親しさのような気もします。
 老夫婦が、「おい、あれ」ってだけで、お茶とか耳かきとかテレビのリモコンとか、必要なものを分かり合える的な。
 名前って、やっぱり深いですね。
 名前をテーマにもっといっぱい物語が書けそうです(笑)

 ストーリー展開が決まり、テーマの使い方も決まれば、あとはさくさくと書けた記憶があります。
 しかし、ここまでで締め切り間近になっており……いつもはゲーム外でテキストに書いてから、ゲーム内の本に落とすという作業をするのが、最初から直接ゲーム内の本に書いていくことになってしまいました。
 ゲーム内の本で読みやすいように書いていけるので、楽なのですが、今回みたいに、別の媒体に転載しようとすると非常に面倒くさい……。
 まぁでも締め切りは大事ですからね。
 そんな感じで手を抜いたにも関わらず、時間がなくてはぶいたエピソードも多々あります。
 それを供養のためにもご紹介したいと思います。

 まずは、河童たち。
 河童たちの言葉がわかるアキですが、これはアキにテイマー(調教師)の才能があるからだったりします。
 才能はあっても訓練したわけではないので、言うことを聞かせることは出来ないけど、意思の疎通くらいはできるのです。
 また、河童の兄妹は、アキの父母の生まれ変わりか、魂が宿った存在にしたいなぁと考えていたことがあって、不採用になりましたが、3人の縁の深さは活きています。
 もし続きを書くとしたら、テイマー修行を終えたアキが河童の2人を従えて冒険する話とか書いてみたいです。

 テイマーの才能のあるアキですが、ばあちゃんやじいちゃん、お母さん、お父さんは忍者です。
 なのでたぶんアキもばあちゃんから忍術の基礎くらいは教わっているかもしれません。
 両親は決めかねているのですが、じいちゃんくらいは生きててもいいかなと思っていたり。 腕のいい忍者なので、国に関わる重要任務についていたりね。
 勝手なイメージですが、徳之島は戦国時代や江戸時代のように、国が一番で、個人の事情は軽んじられ、国のためだったら、残された家族が悲しんだとしても、死んだことにされたり、本当に命を落とすような任務に就かされたりが当たり前の気がします。
 きっと国を出ないと、真実には近づけない、そんな地域なのではないでしょうか。

 物語を書くときの、わたし自身の癖で、登場人物を亡くなった設定にしてしまうことがあります。
 主人公が天涯孤独だったり、親しい友人と死に別れたりしていた方が、負うものが増えて物語に厚みが出るような気がして……。
 気がするだけで、わたしに物語を作るちからがもっとあれば、そんな必要はないのもわかっているのですが、ちから不足なんですよね。
 でも本音は生きていてほしい。
 モンスター蔓延る世界ではあるので、亡くなっている方が自然な場合も多いのですけどねー。
 長い物語を書くちからがまだないので、生きていても、きちんと描写してあげられないという悲しみもあります。
 いつかじいちゃん、お父さん、お母さんの物語も書いてあげたい。
 『徳之島の秋』に限らず、物語を書くといつも、登場人物全員について、深く書きたくなって、とめどなくなるのが悪い癖です。

 はい、このあとがきもそうですね……。
 長くなってきましたが、最後にひとつだけ!

 わたしが書く物語は、ゲームを元にしているので、プレイヤーキャラとNPC(ノンプレイヤーキャラ)がいて、両者にはできることに差があるのが本当です。
 ウルティマ・オンラインにおけるプレイヤーキャラは異世界から世界を救うためにやってきた英雄です。
 NPCの戦士が日給5ゴールドで雇われる世界でプレイヤーは何百万ゴールドも稼げるほどの差があります。
 でもわたしの物語では、あえて、差を設けていません。
 どの登場人物も、NPCかもしれないし、プレイヤーかもしれない、そんなゆるっとした設定の世界でのお話を楽しんでいただけたらうれしいです。

 というわけで、長いあとがき、お読みいただきありがとうございました。
 現在鋭意次のお話を準備中です。
 またしても、ゲーム内の本から、テキスト形式に原稿起こししないといけないので時間がかかっています……。
 だいぶ昔に書いたお話なので、昔の壊れたパソコンの中にテキストがあって、今のパソコンに移せなかった模様です。
 無事原稿起こせたら、ぜひまた読んでください。
 なるべく早めに更新したいと思います。
 よろしくおねがいします。

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