アイデンティティーのはなし
いきなりになるが、私はアイデンティティーは存在しないと思っている。ここで私が言うアイデンティティーとは、ある個人の同一性を絶対的に定義できる「何か」のことだ。一般的にその「何か」は、名前、国籍、人種、民族、性別、ジェンダー、年齢、身体的特徴などを指す。そして、人間はそれらの要素を複合的に組み合わせながら社会的な自己というものを構築していく。しかし、それらは私が私であるということを絶対的に証明できるものでは無いのだ。なぜならば、先に挙げたような要素は非常に流動的であり、常に比較