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私たちにまるで摩擦なんてなかったかのように

空っぽになるばかりなの
家の中も散らかってばかりで読みたい本は山積みにしてその上からものを置いてそのまま避けてベットまでダイブしてそのまま寝ちゃうの
そうすると本もなにもかも上に重ねたものがじっとりと質量を持っていく
そうするとわたしの中から何かが一つずつかけていってしまうの
床にボロボロって撒き散らしながら歩いていくとそこにはなにもない
空白の中に紅一点
虚構の中にわたしはいる
空っぽの電車 空っぽの脳みそに 響いていく昔聴いて泣いていた大森靖子の歌声が
トイレで吐いて涙ふいて何もなかったかのように歩いて、歩いて、あるいて
そこにはなにもなかった
わたしが楽しいと思うと後ろからわたしが見ていて殴ってくる
音楽は魔法だと思った
けどね今は違くて 空洞の心に反響して穴からすり抜けてでていってしまう
私たちにまるで摩擦なんてなかったかのように
心地のいいギターサウンドは乗り物酔いを推奨しているかのように聞こえる
読みたかった本 好きな作家の言葉は重さとなってわたしの部屋の床に散らばって文鎮になっていて わたしを押さえつける
頭の中で鳴り止まない
重低音に負けない音楽の軽さがわたしを傷つけて浸水していく
寝たふりを続け 夢の続きを見るために寝続ける
立っていられる場所が もうないことに 気づくこともできなかった

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