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タイトルはとても大切なんだというお話

 ありとあらゆる作品にとってタイトル(題名)はとても大切です。
 なぜなら、タイトルがその作品を観る人の鑑賞する行為を助けるヒントになるからです。
 たとえばこの写真に「びわ湖 波間の太陽」と説明的なタイトルがついていたら、きっと観る人は「ああ、これは月じゃなくて太陽なんだ。ふーん。波に写った太陽なのか。どっかの池かと思ったけどびわ湖か~。なるほどねえ、うんうん。」と納得するわけです。
 一方で、タイトルはその作品の意味を決定づけます。もしこの作品に「揺らぎ」とか「煌めき」とか「静寂」などという抽象的なタイトルがついていたら、観る人はまるっきり別の観方をしてしまうことでしょう。

 つまり、タイトルは作品を方向付ける強力な力を持っているわけでして、作品は作者のその作品に込めた思いや、どう見て欲しいという願いのこもったタイトルを付けられることによって初めて明確な「意味」を持つのでありますね。
 したがって、作品はタイトルを付けられてようやく完成すると言っても過言ではありませぬ。そう考えると自分の創った作品にタイトルを付けることはクリエーターにとっては非常に大切な仕事です。
 しかしながら、それはなかなかに難しくて容易な作業ではありません。私なんぞは自分が描いたり撮ったりした作品に広がる世界を短い言葉でズバッと上手く表現できた試しがありませんもん。世の中のクリエーターさんたちはみんな作品を創ることよりも、ボキャブラリーで苦労しておられるに違いありません。www

 というわけで、安易に流れた「無題」とか「作品1」なんていうタイトルも画廊に個展を見に行くとちょくちょく見かけるわけですが、難しいからといってそれでは責任を放棄しているようで、「何だかなー、それはあかんやろ。」と思ってしまうわけです。

以上、ふと思いついた「タイトルはあだやおろそかにはできない」というお話でした。(^^;)

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