CUE!のシナリオが持つ特徴と強さ【布教スライド】
CUE!のクラファンが今月末、2/28(火)に終了しますね。
つまり、CUE!のシナリオに触れるための最後のチャンスが2/28ということにもなります。
CUE!の素晴らしくてオリジナリティの満ちたシナリオに触れる機会を失うのは大変にもったいない!!!!
ということで、最後の追い込み布教をしようと思い立ち、CUE!のシナリオの布教スライドを制作しました。ソシャゲのシナリオとかお話を読むのが大好きな人、是非こちらを見てってください。
スライドで見たいと言う方はこちらからどうぞ、PC勢とかはこっちのほうが見やすいかも?
スマホとかで読みづらい、記事で読みたいって方は、以下からどうぞ〜。
POINT1 強さを引き出す「コンセプト」
声優さんに「アイドル」をしてもらう。声優さんに「バンド」をしてもらう。声優さんに「舞台」をしてもらう。声優さんに「DJ」をしてもらう。さまざまなコンテンツが、さまざまな演技・パフォーマンスを披露しました。
でも、声優さんが一番得意なことは、やっぱり「声優」じゃないでしょうか。
新人声優さん達に、新人声優さんの演技をしてもらう。それこそが演者さんにとって、いちばん身近で、いちばん力が出る方法なのかも。
声優さんの強さを引き出す、唯一無二のコンセプトが魅力です。
cf.) Netflixの作品「トークサバイバー」のプロデューサーはインタビューで、「芸人の『本気』を引き出す」仕組みを作ったと語っていました。それに通ずるものがあるかなと思います。
CUE!のキャラクター達の設定は、声優さんとリンクした部分が多々あります。出身地、好物、声優までの経歴、などなどを参考にキャラが組まれています。
そして、そのリンクを容赦無く使ったストーリー・セリフがCUE!には盛りだくさん。
地方出身声優さんに「上京したけど結果残すまで帰れない」とか地元が田舎の声優さんに「地元の友達が結婚しちゃって…」とか……「どんな気持ちでセリフ言ってるの大丈夫!? 」と心配してしまうほどの無情な『中の人とのリンク』が、声に力を加える環境を作り出しています。
この兵庫出身キャラクターのセリフを、本当に兵庫出身で上京してきた声優さんに言わせています。読む側でも胃が痛む。
故郷の友人からこのような手紙が届く話。田舎の結婚が早いというリアルさが、残酷さを加速させている。この話、本当にフィクションだよね!? フィクションであってくれ頼む。
POINT2 濁ったリアルの「世界感」
声優業界は今やレッドオーシャンの厳しい世界。ほとんどの人が夢を叶えられない現実があります。
CUE!の世界は、その苦しい濁ったリアルさをエンタメ的に昇華してまっすぐ描いてくれます。自動的に仕事やファンが生えてくる「ご都合」もなく、失敗してもないのに仕事が得られないのが日常となる。強烈な悲劇に襲われて苦しむわけじゃないのに、徐々に夢をまっすぐ見られなくなっていく。
「ファンタジー」でなく、どこか「リアル」に感じてしまう
そんな残酷さが、胸を打つ人はいるんじゃないでしょうか。
CUE!のキャラクター達は平然とオーディションに落ち、夢を掴み損ねます。いざオーディションに通って仕事を獲得しても、スキルが足りずうまくいかなかったり、厳しい仕事相手に傷つけられたり。コネといった大人の都合に不条理に翻弄されたり、インターネットの匿名から中傷されたり。
そんな、自分が声優だと誇れるのか分からないような日々。それをありありと描きます。
赤川千紗の「今日は明日の思い出」というカードは、生々しさの極地です。
『同じ事務所の他の15人は仕事があるのに、自分だけがオーディションに落ち続けて仕事がなく、唯一暇なので部屋着で家事をしている』
リアルで絶妙な苦しみが、布教の際に私の友人達を引き付けていました。
友人A「このカードのあらすじを聞いて、CUE!の履修を決めたわ。」
同僚B「良い意味で言ってるんですけど…『反吐が出る』と思いました。」
ちなみに、これはこのカードイラストに関するこぼれ話ですが、右側にある15コの調味料が日に当たっていて、左側にある赤川千紗の顔が影の中に構図が大変示唆的で好きですね。こういう要素、CUE!にはいっぱいあるんですよ。
このような、劇的でないけれどリアルで、確かに苦しみが横たわっている世界観。そんな世界だからこそ、その中で、夢を抱いて前を向く16人達が、一層輝かしく見えるのです。
POINT3 遠慮のない「キャラ達の関係性」
CUE!に登場するメンバー達の関係は、要するに会社の同僚です。
そこで描かれる関係は、全てが仲良しこよしではない。そこが魅力を放ちます。
「喧嘩するわけじゃないけど、価値観が違うから話が噛み合わない人」とか、16人も同僚いたら、そういう関係が出るのがリアルですよね?
皆が皆で一致団結!私たちは仲間だ! といった軽薄な絆を掲げることなく、かといって、ありがちな「喧嘩するほど仲がいい」みたいな喧嘩してるわけでもなく、他人としてズバズバと遠慮なく言い合っている人間関係がリアルで魅力的です。
CUE!が描く仲の良い人たちの会話って、甘ったるくて優しい上辺の会話でなく、遠慮ないノーガードな仲良しさなんですよね。
その忌憚のない言葉の応酬が、関係性を深めます。
POINT4 自律している「キャラ達の自己」
CUE!に登場するメンバー16人は、自分で声優を志し、自分の手で声優事務所の扉を叩きました。
皆がすでに「自分」を持っていて、「自分の夢」を見据えています。自主性があるのです。
一般的ソシャゲシナリオにありがちな「葛藤からの自我形成」をすっ飛ばして、いきなり組み上がった個性同士がぶつかりあいバトルするようなシナリオになっています。
声優という仕事は結局は個人事業。同じ夢を見る共同体ではない。
そんな彼女達だからこそ紡げるストーリーが、好きな人にはたまらないです。
私がよくオタクと話す時に使っている象徴的な比喩が、「CUE!の女達は連れションをしない」なんですが、それくらい自律して生きている強い人たちが、仲間になるのからこそ輝かしいんです。
心理学には、マズローの欲求5段階説というものがあります。
人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されているとする心理学理論です(上図)。
CUE!のキャラクター達は、この欲求が高いところにあり、夢という自己実現に向かって突き進むのがストーリーの主題になってます。
例えば、SNSを活用し自撮りをよくするキャラクターである宮路まほろは、承認欲求で動くのではなく、「まほろの声を広く届けたい」という自己実現のために活動しているのです。
なのでCUE!のシナリオでは、思春期キャラにありがちな「自分/自分の居場所を探す物語」でなく、その先の「自分の夢を実現させる物語」が深く展開されていくのです。
POINT5 癖が強くて癖になる「キャラクター」
CUE!に登場する16人のキャラクターはみんな魅力的なのですが、より私の印象に残ったクセツヨ6人をここで紹介します。他のどんなソシャゲを探してもこんな属性の人はいないだろう、と唸るようなキャラクターたちです。
鹿野志穂
カジュアルに人間に絶望している、その独特な精神から放たれる毒に痺れる
「声が不謹慎」と言われ育った鹿野志穂。
人は自分を理解してくれないと諦観しているものの、捻くれながら他者との交流を深めていきます。
九条柚葉
16歳にしてワールドワイドな経営者、唯一の価値観から出るパワーワードの数々
生まれ育ちは世界各国、さらには社長もやってる九条柚葉。
チームメイトから「モンスター」と称される彼女独特の感性は、ただただポジティブなだけでなく、深い裏付けと哲学があります。
天童悠希
本当に最年少? 達観しつつも勢いのある想いでチームを引っ張る小さきリーダー
下町食堂の看板娘をしていた天童悠希。
早熟で力強い価値観を持ちながら、ロボットアニメ好きの熱量でチームを引っ張る。
夜峰美晴
その優しい人柄の奥に何秘めてやがる、誰が言ったか「酒飲む深淵」
事務所最年長なお姉さんの夜峰美晴。
しかし何やら意味深な面が潜んでいます。チームメイトからも「ちょっと不自然」とまで言われるレベル。
遠見鳴
最終学歴中卒、会話は「そうだね」ばかり。その内情にあるのは幼馴染への執着
言葉数少なく他者との交流も少ない遠見鳴。
幼い頃に孤独から救ってくれた利恵のことを強く想う。
服も利恵に揃えてのファッションだったりする。
六石陽菜
そもそもアプリの顔である主人公格が不登校の経験アリなのが特殊なのよ
アプリアイコンにもいるCUE!の顔、六石陽菜。
しかし不登校経験があり、アニメに救われた陰ある過去がある。彼女が顔を張ってるなんて、普通のソシャゲじゃないよやっぱり。
POINT6 数多の要素を用いた「描写力」
「互いの気持ちが前のめりになっている」というのを表す情景描写として、「エスカレーターで3回すれ違う」をチョイスする表現の愉快さが好きなんですよね。軽快な小説みたいで。
「Only twin two primes」 = 双子素数 というタイトルだけで、これだけ考察ができるんですよね。
→双子のようである(似た見た目の二人)
→二人が素数である(世間から浮いた存在である)
→二人の距離が2で一定である
→双子素数は無限に続くかどうかが分からない
つまり、二人の関係はいつまでも続くかどうかが……?
宇津木聡里【ゲルトルート】では、聡里の細やかなLive2Dの視線の動きで、シナリオで「どこかで寝ている」と語られている凛音が、実は聡里の横にいるということを匂わせています。
六石陽菜【クロスロード・サインポスト】では、六石陽菜は幼馴染のふたばちゃんに見つけてもらうために、リボンをずっと同じ位置につけていたということが語られるんですよね。
そんな彼女が1年後、六石陽菜【届け君へ】でリボンを外した。
それでも、幼馴染に会えると思っているのは、「見た目」ではなく「声」で届けるんだ━━という彼女の決意が、言葉以外の文脈で表現されています。
このように、CUE!は言葉を使ったシナリオ表現も技巧的で素晴らしいなかで、それ以外を使った表現でも卓越したものがあるのだ。
さて、ここまで長らくお読みくださり、ありがとうございました。
この記事でCUE!を知った方、興味が出た方、何か琴線に触れるものがあった方は、クラファンからコンプリートブックを是非購入してください。
コンプリートブックには、以下の内容が含まれています。
つまり、ここには全部があります。
書店で買えず、ここで注文しないと二度と手に入らないので!!!どうか!!!チャンスを逃さず!!!お願いします!!!
では、私はこれからクラファンの指定キャラクターメッセージメールを17個買う作業に参ります。夜峰美晴担当セットと神室絢担当セット買ったから、残りは個別で買わないと行けないんですよね〜。
アクスタと缶バッチはこないだ14人分買ったんですがね、ま〜めんどいことめんどいこと!!
画像:©Liber Entertainment Inc.
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