199日目

おーとみーる??

オートミールのお店でお昼を食べたい、と言われて私の頭の中では完全にひらがな変換である。なんじゃそりゃ。

トッピングが3つ選べるということで、訳の分からないままアップルシナモン、バナナ、キャラメルソースを選ぶ。
10分後、出てきたそれを見て、

あーなるほど。
嘔吐ミール。

見事な漢字変換。食べてみると見た目以上に美味しい。漢字変換ごめんなさい。
(後で調べてみると、Oat mealは海外の朝食でよく食べられているらしい。燕麦を脱穀して調理しやすくしたもので、牛乳や水に入れ、好きなトッピングを乗せるのだとか)

199日目

コペンハーゲンから約40分。スウェーデンの小さな街、Lundに留学している友人がコペンハーゲンに遊びに来てくれた。
女子2人、ピッコロが鳴り響く可愛らしい衛兵交代を撮影し、明らかに古い本の並ぶ国立図書館を訪れ、スーパーでわーきゃー言いながら買い物をして、我が家に帰宅。

しゃべってもしゃべってもしゃべっても話が尽きない。女子最強。

ジュ――――――!!!!
「え?!こんな音凄いの?温度上げすぎたかな?!」
初めてのから揚げづくりにあたふたする私を、若干ひきつった顔で見つめる彼女。
「だ、大丈夫じゃん??」
「まぁ、一回揚げてからもう一回揚げるから!」

そんなこんなで出来上がったから揚げはもうめちゃくちゃ美味しくて、2人で小さなテーブルを囲んで悶絶。
今のところお腹は痛くないので、ちゃんと火は通っていたのだろう。

恋バナ。
テラスハウス。
かわいい韓国人のユーチューブ。

女子の空間ってやっぱ、ほんわかキラキラわくわく。

でもその空間もやっぱり、時にはピリッと、張り詰める。

「はーちゃん、就活ってどうしてる?」

多分今日の本題。
留学生の就活はやはり難しい。地球の反対側でみんなが必死にやっていることに焦りを感じている。
けど日本の友人たちと留学生の私たち、多分変わらないのは、

未来が不安だってこと。

「将来なにやりたい?」
「情報収集とかどうしてる?」
「帰国してからでも受けられる企業って結構あるよね?」

から揚げの匂いが充満する部屋で、紅茶とクッキーを片手に、大学生の私たちは話す。
一通り就活の話をして、すっかり暗くなった窓の外を見る。

「これさ、外を見なかったら日本だって言っても分かんないね」
「それな確かに」

2人で笑う。穏やかな時間が流れて、ふいに、ほろっと言葉が出てきた。
頭で考えるより先に、なんか、口が勝手に動いたみたいに。

「でもさ、きっと私たち大丈夫だよ」

ん?と可愛らしく首をかしげる彼女を見て、なぜか確信をもった。

「だってさ、本来は日本で普通にあのまま生活して、普通に就活すればよかったんだよ。けど私たちは敢えて、日本を飛び出してきた。んで2人とも、この選択は間違いじゃなかったって130%言える留学生活を送ってる。だから、なんかさ、大丈夫だよ。」

私たちは2人共、すいすい器用に何でも出来る方ではなくて、けれどお互いに成長したい部分、変えたい部分があって、故郷を飛び出してきた。
そうして違う場所で、それぞれに悩んだり笑ったりしながら、生活をしている。

未来で後悔しないようにする方法は、今を精一杯、がんばること。


それを恐らく、私たちは知った。
今を頑張れば、将来成功しても失敗しても、「あの時私は一生懸命頑張った!」って自分に胸を張って言える。

就活で失敗したら、留学しなければ良かったと思うのか??

「それは、絶対、130%ないね」

ふふっと笑う。

「何が成功か失敗かも分からないしね」


将来2人で、「オートミール食べたよね~」「テラスハウスあの時初めて見たんだよなぁ」「うち来てさ、将来の話とかしたよね」って笑って話せるだろうなぁと思えるこの今の時間が、私にとってはとても愛おしい。

日本の友人たちと留学生の私たち、絶対的に変わらないのは、

「きっと、大丈夫。今をがんばろう。」

きっと、大丈夫。


から揚げもちゃんと揚がってたしね。