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編集者が著者に伝えようとしていた、たった1つのこと

●前回までの編集者イワサキの話

・本屋に行くと新人をチェックしている
・ある日、『プラットホームの彼女』という文庫を発見した
・読了後、すぐに手紙を書いて、キノブックスで書いてほしいと依頼
・テーマは「水沢さんの書く王道恋愛小説」
・水沢さんに本を書いてほしかった理由

などが書いてあります。

よろしければ、「誕生秘話2」「誕生秘話4」をどうぞ。

●「これだけは伝えよう」と思っていたこと

さて。

水沢さんに手紙を送り、その後メールで打ち合わせの日時と場所を決めるやりとりを経て、ついに大阪でお会いすることになりました。

何を言おうとしたのか、どんなことを伝えようとしたのか、ほとんど記憶にありません。

ただ、1つ、「これだけは伝えよう」と思っていたことがあります。

僕は元々ビジネス書の編集者。
なので、ビジネス書はちょこちょこ読んでいます。

ちょうどその頃、読んでいたある本に、

「散歩の途中で富士山に登頂した人はいない」

と書かれていたんです(正確な文面は覚えてませんが)。

ようするに、目標をきちんと立てないと、そこにはたどり着けないぞ、ということ。

自他ともに認める軽薄な僕は、「あー、だったらこの本も目標をしっかり立てないと、まったく届かないぞ」と思ったわけです。

さて、その目標が何なのかはまた次回以降に持ち越しますが、その目標についてだけは絶対に伝えようと決めて、第一回目の打ち合わせに臨むことになりました。


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