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午後10時30分のショートケーキ

今日は絶対にケーキを食べてやる、という固い決意とともに会社を出た。
ダイエットなんて、明日できるかもしれないニキビなんて知ったもんか。と真っ直ぐケーキ屋さんに向かう。

健康でバランスの取れた食生活、十分な睡眠はもちろん必要だけど、今の私には甘くてフワフワしたスポンジと生クリームが必要だった。
普段は生クリームはそんなに好んで食べないので、突発的に起こる発作みたいなものだ。

ケーキ屋さんのショーウィンドウは白い光で照らされていて、中で色んな果物やチョコレートで飾られたケーキやゼリーが待ち構えている。
あーチーズケーキ、タルト、シュークリームもいいなぁ…と目移りしながらも、最後に選んだのはやっぱりショートケーキだった。

ケーキを1つだけ、小さな白い箱にしまってもらう。
ありがたいことに、持ちやすいよう紙袋に入れてくれた。

会社からの1時間半、私はケーキをひっくり返さないように慎重に膝の上におきながら、電車に揺られる。
家につく頃には10時を回った頃だ。
ケーキの箱を見つめると、口の中にじわっと唾液が溢れてくる。

簡単な夕食のあと、ケーキの箱をあける。
行儀良く収まったショートケーキ。
お皿に写すのもめんどくさくて、そのままフィルムをはがす。
一口食べると、想像通りの甘さが広がる。
やっぱり、ショートケーキで正解。

今日も一日がんばりました。

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