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失敗すること、立ち直ること

 最近、自分にとっては人生最大の失敗をした。
 それなりに準備をして本番に向かったのだけれど、完全な失敗だった。
 
 失敗した直後は、全身から力が抜けて、部屋のベッドで何時間も天井を見上げていた。
 頭は変に冷静で、「なんで失敗したんだろう?」とあれこれ原因を探っていた。
 ただ、論理的な思考は何もできなかった。ぐるぐると「なんで?」という言葉だけが巡っていた。
 なんとかご飯を食べ、風呂に入り、歯を磨いて、ベッドに入った。
 すると、これからどうなるんだろうという猛烈な不安が襲ってきて、慌ててYouTubeでおもしろ動画を眺めた。
 全然笑えなかったけど、悪いことを考えずにすんだ。次の日は、なぜか早く目が覚めた。

 それから1ヶ月が経ち、今はもう元気だ。
 もちろん獏とした不安に襲われることもあるし、未だに後悔したりする。
 それでも、元気だと言える。目線は、しっかり未来を見ている。
 なぜかといえば、ずっと逃げて、遊んで、冷静になれたから。
 あまりに辛い時には、そうした時間が必要だ。

 失敗に伴う絶望や不安は、迷子になることに原因があると思う。
 自分が描いていた道のりが絶たれ、どう進めばいいか、進むことができるのかも分からなくなる。
 
 そんな時には、一旦冷静になる時間が必要だ。
 僕の場合は、優しい友人たちが、気遣ってごちそうしてくれたし、
 こっちの事情を知らない見ず知らずの人と、飲み屋で適当な話をしたりもした。

 そういった小さな幸せは、絆創膏のように心の傷を癒やしてくれる。

 そうしてしばらく時間が経ったら、どうするかを考えればいい。
 多分、自分にとってはとてつもなく大きな失敗で、もう希望はないように思えても、
 他の人からすれば大したことではないのだと思う。

 実際に、周りの人がどうしようもなく落ち込んでいたとしても、
 僕たちはそんなに大したことだとは思わない。
 他人事だからというものあるけれど、冷静に見ればそこまでではないということだ。

 冷静になって、自分の現状と、自分が何をしたいのか、を考える。

 僕自身、盲目に目指してきた道が、一度絶たれたことで、新たな道が浮かんできた。
 もしかしたら、それは今まで進んでいた道よりも、素敵な道かもしれない。

 一度歩くのを止めて、自分の足元や自分を見つめ直すことでしか見えてこないこともある。

 失敗は辛いけれど、僕たちはそこから新しい別の一歩を踏み出すことができる。

 もし今、僕と同じように辛く苦しい時期にいる人がいたら、
 まずは落ち着くまで逃げて、遊んでほしい。それから未来のことを考えよう。
 多分、人生は思っているよりも多様で、可能性に満ちているから。
 まずは、そう信じるられるようになることから、始めてほしいと思う。

 未来は分からない。だからこそ楽しみでもあり、不安でもある。
 その両方を受け止めて、自分だけの人生を生きることが、大切で幸せなことだと思う。
 

 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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