洋服を企画デザインしていると、よく尋ねられることがある。
「デザイナーさんって普段自分の洋服を着るんですか？」と。

知り合いで洋服のデザインをしている人が何人かいますが、意外と綺麗めなブランドをされている方はプライベートはラフでカジュアルなイメージはあります。それが反動なのか、デザインするものとは別なのか、真意はわかりません。

わたしの場合7割くらいは自分の洋服を着ています。残りの3割は古着かインポートがほとんどです。
ただ、ブランドを始めた当初は3割くらいしか着ていなかったような気がします。それは、宣伝しているかのようで小っ恥ずかしいのもありましたが、やはり売るために作っていたというのが正直なところかもしれません。

もちろん、商いをしているので、売れることが一番ではあります。　
選ばれやすいデザイン、お取扱店に売って頂きやすいデザイン、そんなことを常に意識していたのを憶えています。

今では自分が着たいものをつくる、そしてこれは受け入れられないなと思えば作らない。とてもシンプルです。
サンプルまでいって、躊躇して、自分だけ着て満足するなんてことも稀ですがあります。
デザイナーさんの中には自分の作った洋服を着ない方もいるでしょう。
ただ、それは否定するものでもなく、デザインで「今」を勝負しているからなのだと思います。
要はわたしのようにデイリーな日常着なのか、デザイナーズのように刹那的なものかの違いなのだと思います。
ひいては、未来を意識することがファッションというのであれば、わたしの洋服はもうファッションですらないのかもしれません。

それでも、自分自身をストレートに表現すること、自分が着たいものを作り続けることがわたしのスタイルであります。

そもそも自分自身をデザイナーだと思っていないのですが・・。