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魂の(フォーク)ロックT

わたしは1971年生まれ、世は正に高度経済成長期の只中にあり、欧米から新しい文化が次々と押し寄せてくる時代でもありました。
もちろん音楽の世界も例外ではなく、様々なジャンルの音楽がその後の日本に影響を与え続けています。
レコードやラジオに始まり、カセット、CD、MD…そして今やダウンロードの時代へと移り変わってきました。
それら全てをリアルタイムで経験してきた世代なわけです。

しかし、そんな時代に育ちながら、これといった音楽に出会えないまま思春期を終えていくのです。中学に上がる頃に少し洋楽をかじった程度で、その後の80年代バンドブームもスルーしていきました。

そんなわたしが二十歳を迎える直前だったでしょうか、仕事の先輩に影響を受けて聴いたカントリーロックが体に馴染む感覚を得ました。
意味が理解できないながらも音の心地良さだけは感じた記憶があります。
それをきっかけに欧米のフォークロックを聴くようになり、最終的には日本のフォークにたどり着きます。
一番しっくり来たのは、サウンド以上に言葉、つまりフォーク特有の時代に対する問題提起の魂の部分でした。
体に馴染むサウンド、心に刺さる言葉、それがわたしにとってフォークであり、音楽であることに気付かされました。

伝えたい言葉が美しいモノを作りあげ、そしてそれを生んだ時代にこそ輝く。それは他ならぬわたしたちの業界も同様だと信じています。
今の時代を生きていて感じることを洋服にどう落とし込めるか、そんなことを常に模索しながら日々の制作に励んでいます。

HiStory
“1971年にロードアイランド州ニューポートで一度だけ開催された「FOLK TOUR ’71」。
60年代に一世を風靡したフォークバンドやシンガーが再集結して行われた音楽イベント。
アコギやバンジョーに加え、世界各国の民俗楽器を用い、人種や部族の差別廃絶を
願う音楽フェスティバルとなりました。
現在でもウッドストックに並び歴史的な野外フェスとして語り継がれています。
当時、会場では様々な国や民族のチャリティー商品が発売されました。
トリをつとめたのは、アパッチ族出身のアーティストらで構成された音楽ユニット。
インディアン・ミュージックが様々な音楽ジャンルに影響を与えるきっかけとなりました。”
*Hi STORYはフィクションであり、登場する人物や団体名等はすべて架空のものです。

そんな架空のロックフェスから始まる物語。
スーベニアのTシャツに描かれているのは差別なき平和な世界を願う鳥とギターとジャンベ。時代背景は違えど、まさに現在にリンクしているように感じています。

歳を重ねるにつれて洋楽フォークの和訳も調べるようになってきた。
ボブデュランの唄っていたことが色褪せないのは、人間の未熟さに他ならない、そう感じる今日この頃であります。

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