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みんなで歩む2か月に。「まれびと海道、チュウゴクシコク」始まります!

こんにちは!2期チュウゴクシコクチームです。
いつもアナザー・ジャパンのnoteをご覧いただきありがとうございます。
三寒四温のこの頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今回は、4月より始まる、「アナザー・チュウゴクシコク」についてご紹介します。何かと慌ただしい年度末の小休止に、ゆっくりとお読みいただけたら嬉しいです。

アナザー・チュウゴクシコク
開催期間 2024年4月3日~2024年6月2日
場所:〒100-0004 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 
TOKYO TORCH銭瓶町ビルディング1F
営業時間 10:00-19:00
定休日 月曜・火曜
電話番号 03-6262-1375


セトラー紹介

「アナザー・チュウゴクシコク」企画展経営者
左から大西、三宅川、宮島

大西未紗/香川県坂出市出身
言動の端々からにじみ出る郷土愛がすてき。(zoom越しに聞こえる声が、今日は普段にも増していきいきしているなあ)と思うと、たいてい香川に帰省中だったり。データ分析の絡む仕事で頼られがち。軌道修正主担当。

三宅川ほの花/愛媛県松山市出身
愛称は「ぽ」。「ぽ」といえばみかん。みかんといえば「ぽ」。彼女のセルフブランディングスキルは、2期生みんなの憧れです。エネルギーときどきぶっとびエピソード供給主担当。

宮島梧子/鳥取県鳥取市出身
名前は「ここ」と読みます。昨夏、中高時代はダンス部に所属していたことを明かしたら、2期生各位に激しく驚かれました。なぜでしょう。そんなキャラです。

以上3名の企画展経営者に、クリエイティブ担当の群馬県出身・谷中晴香を加えた4名で、2期チュウゴクシコクチームとして活動しております。
また、企画展の顔ともいえる各ビジュアルは、キンキ展に続き、クリエイティブチームの今井の舵取りの下、カメラマン・稲口俊太さんのご協力を得て撮影しました。ありがとうございます。

コンセプトのこと

これが、私たちが掲げる、「アナザー・チュウゴクシコク」のコンセプトです。
4人とも、ひとつひとつの表現に、自分なりの解釈、愛着を持っています。というのも、合計30時間はこのコンセプトを考えるための話し合いに費やしたのではないかというくらい、時間を尽くして選んだ言葉だからです。とりわけ思い入れが深いのは、「まれびと」というキーワード。いつも議論の中心にあったこの言葉とどのように向き合ってきたか、当時のメモを見返しながら綴ります。

はじまりの旅 ー 「まれびと」との出会い

「まれびと」という言葉が初めて登場したのは、昨年5月のエリア出張序盤、レンタカーで岡山県を走っていたときのことでした。(まれびと……?)という、みんなの何ともいえない反応が、今も鮮明に思い出されます。今だから言えるけれど、あの時それっぽい言葉を並べた私も、「まれびと」の語源や意味など、ぜんぜん分かっていなかったのです。ただ、旅に先立って中国・四国のことを調べていた期間に触れた、”日本各地に残る「まれびと伝説」のうち、けっこうな数が中国・四国に由縁するらしい” という、断片的な見聞をおすそ分けしたのみでした。しかし、「まれびと」の響きに、なんかいいなあという印象を偶然にも共有した私たちは、この言葉を頭の片隅に置きながら、各地を訪ねることに。
岡山・児島のデニム街から始まり、瀬戸内海を望みながら、愛媛・大三島の柑橘農園や香川・丸亀のうちわ工房などを巡ったこの出張で出会った方々の姿が、のちに私たちの「まれびと」像の核となっていきました。

愛媛県新居浜市にて。
「四国らしさ」について共に悩んで下さり、ありがとうございました。
(写真左端がクリエイティブ担当・谷中)

悩み抜いた日々 ー「まれびと」って、だれのこと?

腰を据えて「まれびと」について考え始めたのは、初めての出張を終え、東京に戻ってからのことでした。その概念を、上野誠著「『まれびと』の発見 おもてなしの日本文化はどこから来たのか」をガイドに学ぶなかで、(チュウゴクシコクの地で私たちが出会った人びとはみな、「まれびと」だったんだ!)という考えに至り、私たちのコンセプト考案は大きく前進します。
「まれびと(客人/稀人/賓人)」とは元々、民俗学者で国文学者でもあった折口信夫(おりぐちしのぶ、1887-1953)が提唱した概念。折口はそれを、現実世界における祭祀などの場に、超現実の世界から来訪して、またもとの世界にかえってゆく、人間を超えた存在として捉えています。私たちはここから、超人間的な存在とまでは言わずとも、新しい技術や価値観と共に来訪する者、という意味を汲み取りました。

振り返ると、私たちは出張中に多くの「まれびと」に出会っていました。
Iターン・Uターンを経て、チュウゴクシコクで暮らしている方々。現代にも愛される柄を追求する砥部焼の職人さん。人手不足が叫ばれる農業の世界に飛び込み、柑橘農家を営む若いご夫婦。まさに、地域や産業に新しい風を吹き込み、伝統を新たにしていく「まれびと」だと思いました。

焼きもののまち・砥部にて。青花窯・増田さんの工房にお邪魔しました。
おいしい思い出も!広島県竹原市にて。

大陸文化の往来の拠点となった山陰地域、近畿と遠国を「中つ国」として多くの交通の要衝を抱えてきた瀬戸内地域、そして仁淀川や四万十川に代表される美しい自然を守り続けてきた南四国地域と、チュウゴクシコクの風土や歴史とも親和するのではないかと、納得したのでした。
「まれびと」に添える言葉には、三宅川の「しまなみ海道、まれびと……海道?」という流石のアイデアから、「海道」を採用。第1期からのつながりを重んじる意味も込めて、「続く、まれびと海道」というコンセプトが誕生しました。

緊張して臨んだ2期生全体に向けた発表の場でも好感触を得られた私たちは、企画展の枝葉に「まれびと海道」のエッセンスを込めるべく、次なるステップに進みます。

しかし、一筋縄ではいきませんでした。
企画展全体の構想の具体化を試みるほど、つまり、「まれびと」の概念を、商品政策や店内演出、SNSの運用やイベント企画に落とし込もうとするほど、行き詰まる日々。あんなに気に入っていた「まれびと海道」の響きが、一転して課題の沸きだす源泉となり、少しずつ重荷になっていきました。他のチームから、マイペース・ゆるゆるなどと形容される私たちですが、この時期は、(もっと伝わりやすいコンセプトにしておくべきだった……)という後悔に近い思いを、それぞれが抱えていたように思います。私自身は、他の業務も立て込み、みんなでコンセプトに向き合う時間が減ってからもなお、悩んでいました。

11月頃、チュウゴクシコクチームにも仕入れの時期が訪れました。
それぞれが担当地域に赴き、作り手の方々と直接お会いして、商談に臨みます。大切な商品を託してくださるかもしれない方々に、「アナザー・チュウゴクシコク」をプレゼンするにあたって、改めて企画展コンセプトに向き合いました。

「まれびと」を、もう一度、自分たちの言葉で定義してみよう。

これまでにお会いしたチュウゴクシコクに関係する方々、店舗にお越しくださったお客様と交わした会話(アナザー・ジャパンのセトラーは、他エリアの企画展でも、店舗に立って接客をさせていただいております)、内部でもらったフィードバック、そして何より、自分たちが、チュウゴクシコクとアナザー・ジャパンを行き来するなかで考えてきたこと。感じていること。実現したい成果、目にしたい景色。議題も司会も存在しないミーティング、いえ、対話を重ねるうちに、私たちの「まれびと」像が、少しずつ膨らんでいきました。

「柑橘農家のご夫婦、”世話焼きな先輩農家さんがめっちゃアドバイスくれる”って、おっしゃってたよね。」
「智頭町で出会った移住者の方が、”移住の決め手は人だった”って。」
「まれびとを受け入れる土壌があるから、多くのまれびとが立ち寄ったり、住みついたりするのかもしれないね。」

こうして私たちは、よそ者ともいえる「まれびと」を受け入れる土地の人びともまた、「まれびと」なのであると考えるようになりました。

「東京にいながらこんなに地元のこと考えるようになったの、アナザー・ジャパンに参加してからかもしれん。」
「鳥取生まれなのね!ってあたたかく迎えていただくたびに、ありがたいな、チュウシコクチームの一員として採用してもらえてよかったなって思うんだよね。」
「この作り手さん、東京で商品売られるの初めてなんだって。喜んでくださって、こっちが嬉しすぎる。」
「……もうね、伝えたいんよ、このお塩のこだわりを。」

ひょっとしたら、たくさんの方々に支えられながら、私たちだけの「アナザー・チュウゴクシコク」を求めて駆け回ってきた我々も、「まれびと」だといえるかもしれない。もしそうでないとしても、2か月間の企画展を通じて、「まれびと」になりたいと願うようになりました。

「最初のコンセプト発表の場で、オフィスキャンプの坂本さんが、まさにアナザー・ジャパンのお客さんはまれびとだよねってコメントしてくださったの、覚えてる?」
「覚えてる。まれびとへの接待は、おもてなしの文化に通じているっていう話、上野先生の本にもあったね。」
「チュウゴクシコクの商品を、接客というおもてなしを通して、お客様というまれびとに届けていくんやな。」

各々、これまでに店舗で接客させていただいたお客様のことを思い起こして、深く納得しました。

コンセプトが、完成を迎えました。

現在地 ー だれもがきっと「まれびと」

「まれびと」とは、誰を指すのだろう。
「まれびと海道」とはどのような道なのだろう。

考え始めてからまもなく1年となる今、私たちは、次のような答えを持っています。

「まれびと」とは、アナザー・チュウゴクシコクに関わる、すべての人。

アナザー・チュウゴクシコクでは、
チュウゴクシコクの「まれびと」が託してくださった商品を、
地域を学んで愛してきた「まれびと」の手で、
アナザー・ジャパンを訪れる「まれびと」に、精一杯伝えてまいります。

その積み重ねこそが、チュウゴクシコクの地で私たちが感じ取った「まれびと海道」の続きを築いていくのだと信じて。

私たちが目指すこと

アナザー・チュウゴクシコクが目標とすること。それは、チュウシコクに愛着をもつ「まれびと」を増やし、未来につながる交わりを生みだすことです。
これを数字に置き換える形で、売上目標は445万円に定めました。
素敵な商品を託してくださった作り手の皆さまに、よいご報告がしたい。チュウゴクシコクチーム全員が抱いている目標です。
2期生の力を結集させ、必ず達成します。みんな、どうかよろしくお願いします。

3月度月次会議資料より

アナザー・チュウゴクシコクのみどころ


チュウゴクシコクの柑橘まつり(4/3~4/16)

柑橘をこよなく愛する三宅川が、地元・愛媛から仕入れた、選りすぐりの柑橘をお届けします。実は、アナザー・ジャパン店舗で生鮮食品を販売させていただくのは、今回が初めてです。
4/5~4/7の3日間は、本人による「柑橘コンサルティング」も開催されます。ひと足早く三宅川の熱い語りに触れた学生セトラー達から、ひときわ注目を集めている当企画。何だそれ?と思われた方にこそ、お越しいただきたいです。

蛇口からみかんジュース(4/27~4/29)

これまた柑橘愛好家の三宅川による発案。「東大みかん愛好会」に所属する彼女が、柑橘愛を通じて築き上げてきたご縁が実を結び、実現に至りました。
参加してくださったお客様に「まれびと」になっていただくべく、運営の仕組みにもささやかな工夫を凝らしております!無料でお楽しみいただけますので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。

大型連休中には、イベントへの出店も予定しております。続報をお楽しみに!

郷土愛×偏愛特集(4/17~4/30、5/1~5/12、5/15~5/26)

3人でバトンをつなぎながら、チュウゴクシコクのディープな魅力をお伝えしてまいります。2週間ごとに変わる店舗の雰囲気も、是非お楽しみください。

芸予・語らう浄酎海道 / 三宅川

「芸予諸島」とは、安芸国・伊予国から一文字ずつをとって名付けられた、瀬戸内海中部の島々。今回は、そのうち三角島を舞台とする「浄酎」を特集します。浄酎とは?という問いから始まる、新感覚のお酒をお届けします。

東讃・素材巡るしまなみ海道 /大西

瀬戸内と聞くと、島や海を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
幼少期から慣れ親しんできた瀬戸内海。
その中でも香川県東讃地域に注目し、東讃の「島」や「海」にまつわる商品に焦点を当てました。素材の巡り、技術の巡り、島巡り……多くの巡りをお伝えしていきたいと思います!

因幡・親しむ民藝海道 / 宮島

鳥取県東部・旧因幡国に息づく民藝の考え方を特集します。生まれ故郷である鳥取を繰り返し訪ねるなかで、吉田璋也による民藝運動の地でもあった鳥取に受け継がれてきた、「用の美(実用的な美)」を追求するものづくりに触れ、深い魅力を感じました。心に響く、手仕事の数々をお届けします。

「まれびとウィークエンド」(5/25~5/26)

企画展がクライマックスを迎える5月末には、「まれびとウィークエンド(タイトル仮)」を開催します。アナザー・チュウゴクシコクからのメッセージを、およそ2ヵ月の企画展経営を経た私たちの等身大の姿と共に伝えきるべく、複数のコンテンツを企画中です。
25日(土曜日)の夜には、広島県から仕入れたお酒「浄酎」をたしなむイベントを行います。カレンダーや手帳にチェックしておいていただけると嬉しいです!

みどころ満載のアナザー・チュウゴクシコク。
たのしみながら、走り切ります。

ここまで、5000字を超える拙文をお読みくださった皆さま、
本当にありがとうございました。

「まれびと」同士の出会いに満ちた企画展を創るべく、2期生一同、引き続き準備に邁進してまいります。
ご来店、心よりお待ちしております。

アナザー・チュウゴクシコク
開催期間 2024年4月3日~2024年6月2日
場所:〒100-0004 東京都千代田区大手町2丁目6番3号
TOKYO TORCH銭瓶町ビルディング1F
営業時間 10:00-19:00
定休日 月曜・火曜
電話番号 03-6262-1375

ライター:Coco Miyajima, Misa Ohnishi, Honoka Miyagawa(チュウゴクシコク)

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