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若いうちに、というと

「19歳、大学生の女の子からの相談です。
 もうすぐハタチになります。若いうちに遊んでおいたほうがいいですか? と。」
「うん。遊んでおいたほうがいいですね」
「ほう…それは?」
「男遊び、とかではなくて。友達といろんな場所に出かけたり、楽しいと思うことをたくさんしたり、趣味とかね。すきなことに時間を使うってことで」
「たしかに、すきなことね。大事です。でもなんとなくこの子は、異性関係で使われる文脈での、遊んでおいたほうがいい、と言っているようにも思いますよね。そのあたりは?」
「うーん…、若いうちに、という限定的な意味合いでいえばたしかに、いろんな異性と、まあわかりやすく言えば体の関係を持つ場合のことだと思うけれど、うん。そういう経験をするのもいいのかもしれない。それでしか得られない感情とか考えとか、うれしさとか悲しさとか痛みとかが、あると思うからね。でもだからと言って、遊んでおいたほうがいいとははっきりと言えないかな。私が経験していなからということもあるんだけどね。例えば、2人の女性がいたとしてね。ひとりは、19歳からハタチまで2年間、いろんな人と遊んでいたとする。ここでいう遊ぶっていうのは、そう今はなしている文脈での、ね。で、もうひとりは、その2年間ひとりの人と付き合っていたとする。大好きで、すごく愛していて、でも結局別れちゃった、という感じのね。どちらの女性もそれぞれに、いろいろな感情をもった2年間だったと思うの。でもね、私の考えはというか、今までいろんな人と出会ってきていろんな話を聞いたりする中で、私が経験したことも踏まえて思うに、後者の女性のほうがね…豊かな心を持っている場合が多いのよ、豊ってどういうかっていうと、思慮深いというか、深いところまでひとのことを考えられるっていうことなんだけれど。私はね…、ひとの厚みというか、そのひとの人間的な魅力ってどこからくるのだろう?と考えたときに、やっぱり、相手のことをどれだけ深く考えられるか、どれだけそのひとのことを考えようとできるか、みたいなところだと思うの。多くの人と浅い関係をたくさん持つときって、ひとりひとりに対しては深く付き合えないよね、そんなことしてたらじぶんが持たないし、よっぽどタフなひとであればそれは、できるかもしれいけれど。そうだから、浅い関係を持つというときは、たぶんひとって利己主義的になってしまうのよ、じぶんが傷つかないために、自分を守るためにね。でもひとりのひとを、長い期間想い続けて、大事にして、そのひとのことを考えてきちんと向き合っていたら、利己的にはならいのよね、それではそもそも続かないし。本当に大事なひとに対しては、自分をある程度犠牲にだってできる、そこまでいろんなことを考えることができる、耐えることができる。そういうことで、人間の厚みみたいなものができあがっていくんだと思うのよ。これを経験しておくのは、若いうちであればあるほどいいの。ごめんなさいね、一方的に話してしまって。」
「なるほど…たしかにそうですね。うん。人間的な厚み。僕は男性だから、男性だからという言葉は今の時代、突かれてしまうかもしれないけれど。若いころは結構遊んでいたなあ…。だから、あまり人間的な厚みはないのかもしれない(笑)」
「そんなことはないですよ、瀬貫さんは話していてとても楽しいし、自分の考えをきちんと持っておられる。それに私だって、こんな偉そうなこと言ってますけど、全然です。」
「男性と女性で、ってまたこんなことを言ってしまうと、よくないのかもしれないけれど。まあ100人いたら100人が、異なる価値観や考えを持っているわけだから、何事も一概には言えないですけどね。このラジオにお便りをくれたという意味で、はい。我々の回答としては、むやみやたらに異性関係を持つのはあまりおすすめしない、ということで!」
「そう。若いうちに、その若い時間を同じに過ごすのなら、ひとりのひとと大恋愛をしたほうがいい。ということで!もちろん、友達とはたくさん遊びに出かけましょう、ということで」
「はい、おたよりありがとうございました!まだまだ今週も、募集していますので。なんでもいいです、くだらないことでも。お待ちしています!」

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