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波待ちの時間

波乗りをする知人が、いつかの会話で 「最近海に行けていなくてしんどい、波待ちをしているあの禅の時間をいま喫緊に必要としている」 みたいなことを言っていた。 すごい。 私も同じく波乗りをするのだが、ボードの上に座って良い波を待つあの時間を、「禅」と言えるまでになっていない。 煩悩がありすぎる。 誰かと競うようなスポーツではなく、たとえばサーフィンやランニングなどのように、自分のペースで規則正しく、無意識的にただ体を動すことのでききる運動は、考え事をするのにぴったりだと、

    • そのままで

      柔軟に、しなやかでありたいと思う。 自分ではどうすることもできないことを、すべて受け入れたいと思う。 大事にすべきものを、大事にしたいと思う。 大事なひとに、あなたは私の大事なひとだと伝えたいと思う。 自分が抱えておきたいものを、抱えたまま、抱きしめたまま生きていたいと思う。 欲張りだろうか? あなたよりも大きな愛はどこにもない

      • バランスとか均衡とか

        昔、意味がよくわからなかった歌、というのが結構あって、 特に車でよくかかっていたMDとかCDとか、親が好んで聴いていた歌とか、そういもの。 年齢を重ねていく中で、想定外の出来事に遭遇し、思いもよらぬ状況を乗り越え、まだ名前が付けられていないような感情を心に宿し、言葉に表すことが到底不可能な想いを抱いていくと、 心に小さな穴ができることが、たまにある。(それはもちろん大きな穴の場合もある) そういった穴を埋めてくれるのが、”昔よくわからなかった歌” だった。 反対に、昔(小学生

        • 抗うより受け入れるがやすし

          あるいは、思考の放棄、ともいれるかもしれない。 東京に帰りたい、こんな仕事がしたかったのではない、ここは違う、云々。 最近いろいろなことに対して、抗っていたような気がする。 もちろん、東京に帰りたいという思いがあることは事実で、もっとすごい仕事(どうしても陳腐な言い方になってしまう)をしたい、もっと洗練された場所で洗練された人達と仕事がしたい。そう思っていることも事実ではあるんだけれど。 でもそれが、ずっと苦しかった原因だった。 今の現状すべてに否定的で、消極的だったこ

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          最後の日

          先週末、『PAST LIVES』という映画を観に行ったんだけれど。 うーん、大人の恋愛。どうなんだろう?あれは大人の恋愛なのかな 誰にだって、忘れられない人とか、運命だったなあと思えるひとは、いるわけで。 いろいろな事情や、タイミングだったり、自分たちではどうしようもないことがあって、別れていくわけで。 どれだけ絶望的な朝を迎えても、涙が枯れるという文字通りにこれでもかというほど泣いても、どれだけ胸が痛んでも、それでも時間が経てば、誰かと生きたい、誰かを愛したいと思って、

          最後の日

          記念日を携帯が知らせてくれて

          そんなときばかりうまく立ち回って。 誇張して言えば そんな感じだろう?君にしてみれば… ミスチルのなかで、3番目くらいに好きな歌。 ちょうど今みたいな、春先とか、あるいは秋がはじまる頃とか、そんな時期に聴きたくなる。(ミスチルのだいたいの曲は、わたしはなんとなく秋に聴きたくなる) 歌詞1つ1つから感じられるもの(「記念日を携帯がいつも知らせてくれて、そんなときばかりうまく立ち回って」という状況や事実のことではなく、そこから潜在的に感じとられてしまう感覚のこと、もっと言うな

          記念日を携帯が知らせてくれて

          よく眠れますように

          帰り道に、お花を買った。もうだいぶ短く切られてしまっていて、200円くらいで売られていた可愛らしいものを何本か。 お花を抱えて歩く帰り道はいつも以上にルンルンするので、とてもよい。 マッシュルームとレタスのオリーブオイルサラダを作った。 きのこって本当に美味しい。 私は、自分にとって幸福度が高い食べ物を知っている。これって結構重要なことだと、最近思う。 今日は水曜日だけれど、お酒を飲んだ。(今はプラットバレーをソーダ割にしたものを飲みながら、これを書いている。)昔ほんの少

          よく眠れますように

          『PERFECT DAYS』で描かれる日常と養老孟司の理想論

          「この世にあるものに、『意味』を求めてはいけない」 今日、仕事のメールを確認しているときにふと目に留まった言葉だ。 Newspicksの記事で、養老孟子へのインタビューを掲載したものだった。 働く意味とはなんだろう? 頑張る意味とは、一体何なのだろう。 最近このようなことを考えてしまうことが多く、割と長い期間気を病んでいた。 そのような状況で、冒頭にあげた言葉を目にしたとき、ここに自分のモヤモヤを解消できる答えがある!とほぼ無意識のうちにその記事を全文読んでしまった。

          『PERFECT DAYS』で描かれる日常と養老孟司の理想論

          『4月になれば彼女は』

           『4月になれば彼女は』という映画の宣伝をみて、これは原作を読んでからだな、と思い、2日で読んでしまった。  個人的な所感だが、この本で語られるものとは、何か明確に読者に対して訴えたいことや伝えたいメッセージがあるというようなものではなく、登場人物それぞれに様々な思いと事情があって、そこで生まれたどうすることもできない愛と情について(あるいは情事的な問題について)、であると思った。    そもそも、フィクションの恋愛小説(映画も然り)において、病気や事故によって人が死ぬという

          『4月になれば彼女は』

          この時期になると

          「東京は、もう桜が咲いているのですか? こっちには、あまり桜の木がなくて実感できないけれど、朝の空気はだんだんと春に近づいている気がします。 この時期になると、というか、この時期の風のにおいをかぐと、会いたくなるひとがいます。あなたにももしかしたら、いるのかもしれない。 会える関係で、会える距離にいたらいいのだけれど。 最近、自分大人になったなあと、思います。 なぜかというと、人に優しくできるようになったから。 きつい言い方しかできない人とか、高圧的な言い方ばかりする人と

          この時期になると

          宇宙からきた海

          「素敵な所だったねー。わたし海が見える旅館だいすき」 「飯もうまかったな」 「美味しかったね、もう一泊したかったなあ」 「まあまたね」 「この海沿いの道もいいね、向こうに見えてるのはお伊勢さんかなあ」 「地理的にはそうだね、あー海入りてーなー」 「この前もサーフィン行ってたんでしょう?こんな寒いのに」 「冬でも入るのがサーファーだからな」 「考えられないよー」 「楽しさが勝つからねあんま寒くないの。なー海ってどうやってできたんだろうなあ。こんなにたくさんの水」 「雨だよ、雨だ

          宇宙からきた海

          買ったもの

          「今日は一日休みだったんだっけ?」 「そう」 「何してたの?」 「買い物いったー。」 「いいな、俺も行きたかった。気に入ったものあった?」 「うん、というか欲しいものがあったから」 「何買ったの?」 「新しい下着と村上春樹のブルータス。ムックになったほう」 「…。難しいな」 「んー、どっちが?」 「どっち、というか…まあ、どちらかといえば前者のほうだけど」 「…、」 「そういうのって、理由とか、聞いてもいいの?」 「…、個人的なことだから。それに知らないほうがいいと思う」 「

          買ったもの

          団体戦に強いたべもの

          「今日ずっと思ってましたけど、いつもハイボール」 「そういつも、すきなの。というかウイスキー以外のお酒はすぐ酔っぱらっちゃって、楽しくないから」 「へー。珍しい、まあ太らないからいいっすね」 「ねえデザート、頼んでもいいかな」 「まだ食うんすか…、どうぞ、食べてください」 「さっきメニューを見てて、美味しそうなのがあったのよ…これ、ほらバナナのキャラメリゼって。絶対に美味しいと思う」 「キャラメリゼって名前が可愛いっすね、確かにうまそう」 「わたしね、バナナって一番、素材とし

          団体戦に強いたべもの

          若いうちに、というと

          「19歳、大学生の女の子からの相談です。  もうすぐハタチになります。若いうちに遊んでおいたほうがいいですか? と。」 「うん。遊んでおいたほうがいいですね」 「ほう…それは?」 「男遊び、とかではなくて。友達といろんな場所に出かけたり、楽しいと思うことをたくさんしたり、趣味とかね。すきなことに時間を使うってことで」 「たしかに、すきなことね。大事です。でもなんとなくこの子は、異性関係で使われる文脈での、遊んでおいたほうがいい、と言っているようにも思いますよね。そのあたりは?

          若いうちに、というと