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カトリックのメダイ”スカプラリオ”

カトリック信者さんが祈りをささげるために身に着ける「メダイ」。
一言でメダイと言っても描かれた聖人聖女や聖書の場面は様々で、由来のある教会でしか手に入らないレアメダイもあったと言われています。
そんなメダイをちょっと深堀して、今日はその中でも「スカプラリオ」についての記録です。

一時期の流行りで「奇跡のメダイ」がメダイチャームの代名詞のようになっていましたが…

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カトリック信者の祈りのために古くから作られているメダイはこの「奇跡のメダイ」だけではありません。
そもそもメダイとはカトリック信者が信仰を深めるために聖人や聖母、イエスキリストの姿を描いたものを常時身に着けられる形にしたもので、そこに描かれる人物や場面はさまざまなバリエーションがあります。
イエス・キリストをはじめとし、聖母マリアや各地の聖母、聖母子、その他の聖人やローマ教皇の姿が描かれたものが様々な意味を持って作られているのです。
その中でも『お守り』的な存在なスカプラリオをご紹介します。
肌身離さず身に着けていれば、救いをもたらし安らぎを約束してくれると言われています。

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スカプラリオは「イエスキリストの聖心」と「カルメル山の聖母」が裏表面に描かれたメダイの呼び名です。このようにメダイの種類を見るときは裏表面に描かれた構図の組み合わせも重要な場合があります。
元々は聖人の身に着けていた肩布の一部を身につけてお守り代わりにしていたものを「スカプラリオ」と呼んでいたそうなのですが、年々形を変えた結果手軽に身に着けられるメダイの形となりました。
カルメル山の聖母子が手に持っている小さな四角いものが本来のスカプラリオと言われていたものです。

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聖人名の記載がなくても、この構図からカルメル山の聖母子だと判断できます。
裏面はキリストの聖心。
この組み合わせこそがスカプラリオと呼ばれるメダイの特徴です。

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彫刻がすり減るほどに長年愛用されていたものも。
たくさんの祈りを吸い込んだ歴史を想像させてくれます。
カンの部分のりぼんのようなデザインも素敵なのでアクセサリーの様に肌身離さず、おそらく女性が持っていたものだと思います。

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片面に2つの構図が配置された珍しいタイプも。
スカプラリオのメダイは当時フランス人にも人気が高かったようで、様々なデザインを見かけます。

このようなメダイの図柄や構図にまつわるカトリックの逸話は星の数ほど存在します。そして逸話の数だけ違ったデザインのメダイもあるわけです。奇跡のメダイのブームはとっくに終わっていますが、この奥深い世界を垣間見ると、深堀して蒐集してみたくなるかもしれませんよ。

ちなみにカトリックの習慣や聖人については奥の深ーい世界ですので、詳しくは専門書などで確認してくださいね。

余談ですが、私の押し聖人は聖テレーズ、聖セシリア、聖ジャンヌダルクです。全員女性ですね!


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