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ホームタウンに住むサポーターの繋がり「仏像修復師」の仕事

こんにちは、地域連携グループの寺嶋です。

これまでのnoteでは、アントラーズのホームタウンについて、景色やお店、季節のイベントなど魅力あるスポットや楽しめる場所をお伝えしてきました。今回のnoteでは、アントラーズのサポーターであり、ホームタウンに住んでいる「ヒト」にフォーカスし、紹介をします。

今回、アントラーズサポーターでありホームタウンの神栖市に工房を構える「一般社団法人仏像修復舎」の伊谷勇哉さんと青野真澄さんにお話を伺いました。

皆さんは「仏像修復師」というお仕事をご存知でしょうか?

貴重な文化財である仏像等を後世に残すために修復する仕事ですが、お話をしていく中で地域に対する考えやアントラーズへの想いであったり、サッカーにも通ずる部分もあるのではないかと感じました。


仏像修復の仕事

木造の彫刻文化財等の修正依頼を受けて、仏像を含む修復を行っています。神社仏閣からの依頼が多いですが、個人からの依頼も中にはあるそうです。この仕事をする上で資格は必要ないですが、高度な技術や知識が必要で、これを専門に仕事をしている方は全国に100名ほどしかいないそうです。

なぜこの仕事を選んだのか?

伊谷さん
「奈良出身で、実家も仏師であり父の影響が大きいです」

青野さん
「美術や芸術が得意で、母親がそちらの道に行ってみたらと後押しをしてくれました。奈良の室生寺弥勒菩薩を見て感動して、仏像修復を学べる大学へ進学しました」

それぞれのきっかけがありつつ、お二人とも東京藝術大学大学院美術研究科に進学し学んできました。

伊谷さんの模刻作品『大報恩寺蔵准胝観音像』制作の様子
湿式クリーニングや補彩の様子

仏像修復師の面白さは?

「直すだけでなく、過程を記録したり資料を残して後世につなげる役割もあります。また、修復を行う中で発見もあります。江戸時代に作られていると言われていたものが、平安時代のものだったり。価値を高めたり、価値の再発見がなされることで指定の文化財になるケースもあります。その地域への誇り、文化や研究者の価値を示せます」

過去と未来を繋ぐ仕事でもあり、価値の再発見があるのもこの仕事の面白さのようです。

青野さんの模刻作品『室生寺蔵弥勒菩薩像』

アントラーズとの関わり

青野さん
「物心ついた時からアントラーズに触れていて、大学の時にサッカー熱が再燃しました。チケットを買ってカシマスタジアムに行き始め、その最初の試合が2017年霧の中の試合(※)でした。2回目は伊谷さんと一緒に行きました」

伊谷さん
「雰囲気や応援に感動しました。その翌年からはゴール裏で応援をしています。ちなみに、工房はアントラーズの試合を観に行ける場所でないといけない!とのことで、ホームタウンの神栖市に工房を構えました」

※2017年8月5日(土)に行われた明治安田生命J1リーグ 第20節vsベガルタ仙台戦で濃い霧が立ち込めていたため、カラーボール(オレンジ色のボール)の使用を決めたり、一時試合を中断する場面があった。この試合でアントラーズは2-0で勝利した。

青野さんとサントス選手の1枚
アントラーズ観戦の様子

今後の夢

青野さん
「目の前のひとつひとつを大事に全国の仕事を受けていきたいです。同時に、アントラーズのホームタウンである鹿行(ろっこう)地区の仏像修復にも携わり、それが観光に繋がったらよいと思います。ものづくりだと大きなことにいきがちですが、地域で直したものでコミュニティが広がっていくのを目標にしていきたいです」

伊谷さん
「直すのがゴールではなく、その先に、お寺や街、人がつながっていけば良いなと思います。地域にとって価値があるもの、機会があれば調査して活用していきたいです」

青野さん
「関東の中で茨城県は仏像が多い地域ですが、調査研究が進んでいない場所もあります。調査が進んで、仏像の価値を地域の方に還元し、神社仏閣と地域がより繋がり、ヒトの動きや地域の活性化のきっかけにできればと思います」

加えて、会社を立ち上げて5年目。10周年で本を出したい気持ちもあり、仏像だけでなく、専門の方以外も読めるものを考えているそうです。

修復が完了した仏像のお返し

「アントラーズは応援歌が変わらなかったり、クラブ理念や伝統がある。クラブの伝統は大事にしてほしい」

仏像修復師の仕事も、伝統や作った方の気持ちを大事に受け継いで未来に継承する部分があり、仕事は違えど歴史や伝統を大事にすることは想いが通じる部分がありました。

今回お話をする中で、アントラーズに対する気持ちが伝わってくると同時に、仏像修復師の仕事は地域を盛り上げたり人を繋ぐ役割もあり、この点はアントラーズと同様だと感じました。これからも、ともに地域を盛り上げていければと思います。

それではまた、次回のnoteで。


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