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Antonio Bottiについて

今までずっとSNSは本名をもじったハンドルネームにしていたんですが、2017年に入ったときからアントニオ・ボッティ(Antonio Botti)という名前を使っています。noteで初めての投稿でもあるので、今回、このアントニオ・ボッティという名前の由来をお話します。

「アントニオ」という名前は、新婚旅行で行ったイタリア・ソレントで生まれました。ソレントは、ナポリから電車で小一時間ほどで行ける港町です。一応リゾート地ではありますが、アマルフィやポジターノほどリゾートリゾートしておらず、どことなく田舎っぽさが強く残っている感じがして、大好きです。次にイタリアに行ったときも、また訪れようと思ってます。

そんなソレントで、夕暮れ時ちょっとした高台から海を眺めていたとき、対岸にはナポリが見えるとても綺麗な景色を目の前にして、あまりにも気分がよくなってしまって歌を歌っていたら、急におじさんから「ブラーーーヴォオォォォ!!」と声をかけられました。そこからおじさんのマシンガントークが始まります。俺はソレントで生まれ育ったんだ!ソレントは良い街だよ!どこから来たの?ナポリ?ナポリは車のクラクションがすごいでしょ!パッパーって!カサノバって映画は見たことはあるかい?あれは最高の映画だよ!イタリアは楽しい?イタリアのキスの仕方を教えてあげようか?美味しいご飯を食べたらこうやるんだよ!と、、、片言の英語でいろんな話をしてくれました。満面の笑顔で。四六時中ずっと笑顔でいるせいか、このおじさんの顔のシワは笑顔の形で深々と刻まれてました。おじさんがあまりにも楽しそうでこっちまでとても楽しくなりました。夕暮れ時のナポリ湾の絶景を前にして、こんなに楽しい時間を過ごせたのは、この上なく幸せだったと思います。

自分たちが新婚旅行でイタリアに来たことを伝えると、おじさんは「旅行を楽しむ方法を教えてあげよう!旅行にいる間はね、普段と名前を変えるんだ。いつもと同じようにお互いを呼んでたらつまらないだろう?よし、今から君たちに俺が名前をつけてあげよう。奥さんはそうだな・・・ソフィア!ソッフィーア!!旦那さんはアントニオが良いね。どう?気に入った??気に入らないはずがないよね!これは良い名前だよ、アントニオ!ソフィア!」ということで、僕たちにはなんの決定権もなく、アントニオとソフィアという名前がつきました。それから残りの一週間の旅行の間は、ずっとソフィア、アントニオと呼んで過ごしましたが、確かに名前を変える効果はものすごく大きかったです。とても楽しめました。本当にこれはオススメで、今でも旅行の間は、お互いの名前はできるだけ呼ばず、アントニオ、ソフィアと呼び合うようにしてます。こういうところからも非日常を演出するのは、旅が上手い人の知恵なんだろうなと実感します。

ボッティの方も、きっかけはこのイタリア旅行です。芸術の国イタリアをより楽しむために、イタリアに行く数ヶ月前からルネッサンス美術についていろいろ勉強していたんですが、そのとき『プリマヴェーラ(春)』や『ヴィーナスの誕生』で有名なボッティチェッリの名前の由来を知りました。ボッティチェッリことアレッサンドロ・ディ・マリアーノ・フィリペーピにはお兄さんがいて、とても太っていたことから「樽(ボッティ)」というあだ名が付いてたそうです。そして弟アレッサンドロは「小さなボッティ=ボッティチェッリ」と周りから呼ばれるようになり、芸術家として名を広めていくにあたり、その愛称を芸名に選びました。

イタリア旅行で美食の毎日を過ごした結果、僕のお腹はどんどん大きくなっていきました。余計な香辛料・調味料を使わずに、食材の味を存分に活かすのは当たり前で、肉の臭みまでも美味しくしてしまうのは圧巻としか言いようがありません。ブォーノ!と何度言ったことか。
そんな折、迂闊にもウフィツィ美術館でボッティチェッリのエピソードを話してしまったがために、奥さんから「ボッティ」「ボッティ」と呼ばれるようになりました。(カバー写真はボッティが命名されたフィレンツェの景色です)

というのが、アントニオ・ボッティという名前の由来です。イタリア旅行はとっくに終わってしまいましたが、今でもこの名前を見ると、鮮明に楽しい思い出が蘇ります。またイタリアに行きたいなぁ・・・・。

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