豪日記「BIWAのなる家」
私が住んでいたシェアハウスのオーナーは、フィルという初老の男だった。フィルの家は、人よりも獣っぽいにおいがした。猫を飼っているせいかと思ったが、この家の主であるフィル自身からも獣臭が漂っていたし、家の周りには砂埃にまみれたガラクタのようなものがたくさん、でも大事そうに置いてありそれはまるであちこちから拾ってきたオモチャを拾っては溜め込んでいる犬小屋のようだった。
綿あめのようにふわふわした髪の毛には時々クモの巣やペンキがついていて、「なんかついてるよ」と教えてもさほど気にして