見出し画像

諦めたくはないものを


心に持って生きたいと思える映画に出会った。

「グッバイ·ドングリーズ」 いしづかあつこ監督の作品だ。

実は「ウェストサイドストーリー」が観たくて乗った電車が、線路の除雪の関係で到着予定時刻に着けず、上映開始に間に合わなかったという悲劇(゚ω゚)

で予定変更し、ちょうど良い時間に上映されていた、という理由だけで観た映画「グッバイ·ドングリーズ」。(ごめんなさい)
でもとても良かった。

主人公は15から16歳の少年達。というだけで主婦歴ン十年の私からは遠い星の宇宙人みたいなのだが、3年前のわが息子だったと思う
と急にリアリティーが増して来る。

個人的に印象に残ったシーンは2つ。

ひとつめは、アイスランドから宝物を探すため帰ってきてドングリーズの仲間になるドロップが、キックボードで山道を駆け抜けて行くシーン。

都会のように電車や地下鉄がない地方では、少年達の移動手段は、まず徒歩。そして自転車。
キックボードというのはややマニアックながら、根強い人気を持つものの、公道を走ることは認められていない(ハズ)。
以前、うちの息子がキックボードで習い事に行って先生にひどく叱られたという暗い過去も。

だからこそ余計、キックボードでこんなに爽快に走るシーン、うちの息子が観たら喜ぶだろうな~などと微笑んでしまった。車庫の隅でうら悲しくサビだけを乗せている、わが家のキックボードのことも思い出すに違いない。

2つ目は、全体としてほとんど親とか大人が出て来ないこと。(シーンとは呼べないけれど)

こういう少年以上青年未満を主人公に持つ映画って、大人との衝突や葛藤、特に親との激しいやり取りなんかが当たり前のように出てくるイメージ。

この映画には全くと言っていいほどそんなシーンはない。
私って古い?と、驚きとオノノキの両方が降って来た。

大人とはケンカしなくても、友達同士で本音をぶつけ、ケンカもし、成長していく姿にはきちんとした説得力があって、親子関係にも新たな可能性を感じさせてくれる。

同時に肩の力も抜かせてもらった。

頑張ってお母さんしなくてもいいんじゃないか。息子に素敵な友達がいることをもっと喜べ私!

いつか、今小学生の下の息子ともう一度観たいと思っている映画。

その時私の中に、ドングリーズのメンバーに伝えられるような諦めない心がちゃんとあることを。そして片田舎にあっても、志を高く持つことは可能なんだと証したい。やるじゃん大人って思わせたい。

オススメです!








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?