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月刊アルバムレビュー 2022年8月号

7月リリースで漏れてたのも含まれます。

①Marci / Marci


カナダのインディポップバンド、TOPSのレトロポップなサウンドを牽引するキーボーディストMARTA CIKOJEVICのソロプロジェクトのデビュー作。"Immaterial Girl"というタイトルがあるようにマドンナをはじめとした80年代ポップからの多大な影響を感じさせるアルバム。シンプルで軽快なシンセと跳ねるリズムが気持ちい”Electricity”は最近の私のアラーム音。

②Stella Donnelly / Flood

インディポップガールといえばこの人。とはいえ1stからすると内容的には大躍進していると思うが、1stよりあんまり話題に上がってないのはやはりジャケのせいなのか?畳み掛けるセリフのようなAメロからさりげなくもポジティブなサビが高揚感をもたらす”How Was Your Day”や大人っぽさやフックの効いたメロディが印象的な"Lungs"などキラーチューンが多い。ビジュアルアートもこだわりが感じられ、デヴィッド・ボウイとかの影響とかありそう。

③Fonteyn / Trip the Light Fantastic

出だしのピアノの響きと歌声から貫禄を感じる、というかキャロル・キングを重ねてしまう”Savannah”はじめ70年代シンガーソングライター、ソフトロック好きを唸らせるポップソング群。”Girl on A Motorcycle”などソフトサイケを感じさせる曲も。

④The Lounge Society / Tired of Liberty

現在のUKロックにおける影の支配者ダン・キャリー(black midi,Squid,Fontaines D.C.,Wet Leg ,etc)のプロデュースの時点で勝ち確なポストパンクバンドのデビューアルバム。今年の頭に出たYard Actと並べて聴きたいノリの良いキャッチーなポストパンク。ギターのリフがことごとく印象的でかっこいい。

⑤バラとハーブの森ガーデン / 灯りの横顔

東京・葛飾の四人組インディロックバンドの1st。シューゲイザー、レゲエ、サイケデリック・ロック、フォークなど多様な音楽性を吸収していて、字面を見るとごった煮な感じを想像すると思うが、流石はZ世代、そこはスタイリッシュにまとめ上げている。ブルージーでいなたいバンドサウンドは下町育ちらしい親しみやすさも感じられる。

⑥Tchotchke / Tchotchke

アメリカの3ピースガールズバンドのデビュー作。The Lemon Twigsのマイケル・ダダリオがプロデュースで参加していることもあり、多幸感のあるパワーポップ、ソフトロックな楽曲でゴキゲンなアルバム。レトロな質感の音とメロディは経験してない懐かしい切なさみたいなものも想起させる。

⑦NoSo / Stay Proud of Me

年に1回くらい、どうしようもなく僕の琴線を掴んで締め上げるシンガーソングライターが現れるのだが、今年はこの人のようだ。芯のある歌声、静かに熱を発するようなメロディラインが好みストライクだった。

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