ピラミッドの高さは底辺に比例する

ピラミッドは四角すいの形状をしている。石を積み重ねて高く積み上げようと思えば、細く高く積み上げるのが、本来は最も効率が良い。

しかし、わざわざ四角すいの形状を採用しているのは、それが、最も安定しているからである。

これは、知識や技能についても同じことが言える。

もし、その知識や技能が、すぐに廃れてしまうような分野で勝負しているのであれば、膨大な時間をかけて安定した四角すいのピラミッド型の知識や技能を積み上げるのは時間の無駄だ。

垂直に、手っ取り早く塔を作り、壊れたら次の分野の知識や技術を身に着ければいいだけだ。

しかし、そんなことを繰り返していては、過去の知識や経験が無駄になってしまうし、永遠に新規参入者と同じ土俵で勝負しなければいけなくなる。

故に、人生を通じて、誰にも負けない四角すい型ピラミッドのような知識や技術を身に着ける必要がある。

時間をかけて積み上げたものは、簡単には真似できないのである。

そして、そのピラミッドは一分野のピラミッドではない。

いくつもの分野にまたがる「多角すい型ピラミッド」であればあるほど、他者の追随を許さなくなるのである。

日本人で英語を話せる人はたくさんいるだろう。中国語や韓国語を話せる人もそれなりにいる。

しかし、それらすべての言語を話せる人となると1/1000以下になる。

技術の希少性の掛け算によって唯一無二の存在になれるのであり、それこそが、多角すい型ピラミッドなのである。

そして、ピラミッドの高さは、底辺の長さに比例する。

あなたの知識や技能の数が多く、幅が広いほど、高くて安定したピラミッドができるのである。

なので、若い人にはぜひ、一つの分野に限定せず、様々な知識や技能を身に付けてほしい。そして、それらを各々深めて行ってほしい。

そうすることで誰にもできない、あなただけの仕事ができるようになるのだ。

そして、30代前半まででそれらを身に付けたら、あとは実践を重視してほしい。どんな知識や技能も、実践の中でしか磨かれない。

人生は有限だ。

学びや経験に時間を費やし過ぎてはいけない。

勝負できると思ったら、その日から勝負してみるといい。

日々の勝負により知識や技能が磨かれ、ピラミッドの底辺が広がり、高さもそれに比例して高くなるだろう。


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