BL、男女カプ、ドリーム――女オタク内に存在する「見下し」の矢印

9/1深夜に放送された「ビートたけしのTVタックル」が大炎上しています。まあ、明らかに激ヤバな構成でしたし、ツッコミどころばかりだったので、炎上は不可避といったところです。

番組を非難する声が大きい一方で、その非難に対する非難も登場し、事態は若干ややこしくなっています。

番組に対する非難「オタクは差別されている!」

番組に対する非難の非難「オタクだって差別心バリバリじゃん、同じ穴のむじな」

その批判が正しいかどうかはにわかには判断はつきづらいですが、ごくごく個人的な私感としては、差別心はないとは言えないと思います。

いわゆる「リア充」に対する「頭がからっぽ、ヤリチン/ヤリマン、中身がうすっぺらい」などの発言はよく見ますし、同じオタク内でも「ロリコンはキモイ」「腐女子はキモイ」などと内ゲバが頻出している印象。

つまり、

一般社会→←オタク(多数派)→←オタク(女・少数派)

と差別の目線は反発しながらつながっていきます。

(そういえば、TVタックルでは女オタクについては全く触れられていなかったですね。話がややこしくなるのが目に見えていたので削られたのでしょう)

多数派男性オタクによる女オタク(中でも腐女子)叩きによくあるのは、「男同志がくっついてる絵を注意書きなく載せるんじゃない(男女の絵とかちょっと服がはだけてる女の子の絵は別に良いけどね)」というやつで、まあダブスタです。

では、女オタクの中では平和が訪れているのか? というと、答えはNO。二次元好き女オタク内ヒエラルキーは、いわゆる男オタク内ヒエラルキーとは逆転しています。

腐女子(多数派)…BL(男×男)のカップリングを好む。

↓「自己投影キモイ」↑反発

男女カップリング者(腐女子と比べると少数派)…男女カプ(男×女)のカップリングを好む。

↓「自己投影キモイ」↑反発

ドリーム(腐女子・男女カプと比べると少数派)…名前変換機能などを用い、既存キャラクター×自分(だいたい女)のカップリングを好む。また、自分というよりかは、理想のヒロインを作り出しているため、既存キャラクター×オリキャラ層ともカブる。

ちなみにBLではエロは受け入れらていますが、男女カプ・ドリームのエロは腐女子側から白い目で見られる可能性も高いです。このあたり、謎の自己投影できるモブ×既存の女キャラクターエロがさかんな男性向けとは逆ですね。

ちなみにドリームの人たちも「男×男なんて意味わからん」と怒っていたりもして、憎しみは止まりません。GLについてはちょっと観測範囲外なので、教えていただけると嬉しいです…。

もちろん、どんなカップリングもいける(BL・男女・ドリーム)人もいますし、あからさまに差別関係にあるわけではありませんが、なんとなくの見下しの目線というのは確かに存在しているように思います。

それに加え、女性向けは「作品への愛」という恐ろしいポイントが存在しており、同じ作品内でのBLでも「(他カプに対して)そのカプはありえない、愛がない」、カップリング内でも「その解釈はありえない、愛がない」、同カップリング同解釈内でも「新参うざい」「古参乙」と争いが存在します。

オタクだろうが非オタだろうが、他者を見下すことはもはや仕方がないことなのかもしれません。つらい。

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