女性向け同人イベントで売り子がスマホをずーっといじっているのは「態度が悪い」のか?

「同人イベントにおけるサークルの対応について」というtogetterがバズっています。

これは、男性向けイベントにもよく行く@kosodatemasaranさんが女性向けイベント(SPARK)に行った際、スペースの売り子がスマホをいじっているのについて「態度が悪い」「買う意欲がなくなるので気を付けてほしい」と言ったツイートが発端です。男性向けイベントではこのようなことはなく、むしろ積極的に呼び込みなどを行っているのに、女性向けイベントでは一般参加者を気にかけないような態度が少なくない。改善したほうがいいのでは?といった旨が述べられています。

結論から言うと、これは男性向けジャンルと女性向けジャンルの違いからくるものです。もともと、女性向けジャンルでは、過度な呼び込みやアピールは避けられる傾向にあります。

(おもに女性向け)同人の単語やポイントをまとめている「同人用語の基礎知識」では、同人イベントのスペース使用上の注意として、「客引きはほどほどに」という項目で以下のように書いています。

男性向きジャンルではスペースから声を出して客引きするのも悪くはないですが(かなりやってる…)、女性向けジャンルではスペースの前で人が立ち止まったときのみに声をかける程度にした方がいいと思います(「どうぞごらんになって行って下さいー」など)。小さいイベントで思うように売れないからか、時々スペースの前に立って客引きするサークルもありますが、余計売れなくなりがちです。やめましょう。

ここであえて男性向けジャンルにふれているのがポイント。男性向けと女性向けでは、暗黙のルールが異なっていることが多いです。スペース内での振る舞い方は、大きく違うところのひとつでしょう。

男性向け(文フリなども含む。創作系イベントは微妙なライン)…呼び込みや客引きはバンバンやるべき。

女性向け…呼び込みや客引きはやってはいけない。声かけもあくまで控えめに。

同人イベントでサークル参加をしたことがあるとわかると思うのですが、一般参加者がスペース前に来た時「本を買いたくて立っているのか」「ちょっと立ち止まっただけなのか」「現在位置を確認するためにスペースナンバーを見ているだけなのか(←これめっちゃよくある)」見分けるのはなかなか難しいです。

また、服屋で店員さんから声をかけると逃げたくなる気持ちはわかっていただけると思うのですが、それと同様に「ちょっと興味を持っただけなのに声をかけられると反射的に逃げてしまう」層も存在します。

そうなると、適切な声かけというのはかなり難しい。理想は、RPGのNPCのごとく、興味を持った人があちらから声をかけてくれることです。その場合、話しかけにくい雰囲気を出すとよくない。たとえば、売り子の友だちと夢中で話し込んでいたり、スペースでうつむいていたりすると、話しかけにくいオーラができてしまいます。

その場合どうするか。

@kosodatemasaranさんは「あきらかにこっちが視界に入ってるであろう高さまでスマホもちあげていじってる」売り子/スペース主に対して「失礼」と称していました。

しかし、この姿勢はむしろ「あなたの存在にはなんとなく気づいているので、興味があったら声をかけてくださいね」というメッセージだったのではないでしょうか。はたから見るとどう見えているかはともかく、本人の気持ちの問題として。

まとめます。

今回@kosodatemasaranさんが問題視していた「一般参加者に対して積極的な接客をしない女性向けサークル」の行動は、

男性向け…ダメ。ちゃんと呼び込みや声掛けをしよう。

女性向け…ふつう。もうちょっとさりげなく声掛けをできればよかったかもね。

というように分類されるでしょう。土壌や参加している人が違うのだから、なんでも男性向けのものさしで考えると燃えやすくなるよなー、という話でした。


ちなみに同人向けまとめでは、

・女性向け同人と男性向け同人を比べる

・値段について触れる(おもに高いという方向で)

・アンソロについて金銭にまつわる話をする

・一般参加者のことを「客」と呼ぶ

・頒布のことを「販売」と言う

・イベント運営者に対してイベント参加者(サークル、一般参加者含め)を「客」と呼ぶ

・ピコ(あんまり同人誌が売れない弱小サークル)を叩く

と炎上しやすさが増していきます。燃やしたいならガンガン使用、燃やしたくないなら使用を控えるのをオススメします。


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