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泣きべその秋が終わり
冬が始まろうとしていた
そんな揺れる感情の隙間に
突然訪れた夢のような心音

どこか懐かしくて
自然と緊張がほぐれるような
どこか優しくて
傷ついた過去を癒すような

貴方は涙が凍らないように
全身を熱く抱きしめて
涙の理由を乾かしてくれる

優しさをキスに変えて
舌を絡めあえば
いつでも心は溶けて
悲しい涙の雫は雪に変わる

雪はひらひらと舞う

冬の空を見上げれば
知らなかった本当の私が
淡く光りながら降りてきた
私は瞳から過去を流し捨てて
そっと私自身を受けとめた

抱えてきた惑う気持ちが
寒さで凍ると諦めていたのに
貴方はゆっくりと溶かして
私の泉に種を埋めた

それは春の風に芽吹く

双葉は私と貴方
羽根のように舞い
空へと伸びていく

寄り添い合うように
絡みあっては微笑んで
そして私たちは
大樹になっていく

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