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映画ミステリと言う勿れ(ネタバレ感想)

ふせったーで呟いたことですが、ここにも記録として……
一度観たあと忘れないうちに書きました。
(ネタバレです)

ミステリと言う勿れ映画版に洸平さんが出ると知って(今年の3月かな)、すぐに連ドラを全部観ました。とてもおもしろかった。
広島編の原作は未読。でもなんとなく空気で、朝晴はそうなんだろうな…(犯人)…と思ってて、予告で見るあの優しげで爽やかな朝晴がどうなるんだろ、どんなお芝居見られるんだろ、と楽しみに観に行きました。

でもなんだかもうお芝居を楽しむっていう感覚を忘れるくらいただただ朝晴という人のことを考えてしまった。
やっていることは傍から見れば狂気でサイコパスかもしれないけどそうではない、純粋に努力したお利口な子どもみたいで、心のセメントに跡がついてしまうってこういうことなんだと、憐憫とかではなくただ切なくて苦しかった。
うまく言えないけど朝晴は、暗い色の薄い硝子のようで、その繊細なまっすぐさがかなしくて痛かった…
優しいふりじゃなく本当に汐ちゃんを大事に思ってて本当に優しかったんだと思うし、朝ちゃんにとってはきっと、車坂家に生まれたから弁護士になる、ことと同じだったんだろうなぁ……

そういう、心ごと伝わってくる一貫した人物造形みたいなところがやっぱりすごいなと、今改めて思い返すとすごいお芝居だったなぁとしみじみ…あぁもう一度観たい……

あと整くんが汐路に、カウンセリングを受けることをすすめて、あなたは子どもだからまだ跡を埋められる、ってところ、
ここ聞いたとき、あの子どものまま大人になってしまったみたいな朝ちゃんにもそういう機会があればいい、固まってしまったセメントももしかしたら形が変わったり何かで埋められるかもしれない、と思ったりした。
人は弱くて、当たり前だと誰もが思えたらいい、
ここの一連の台詞が本当に素敵で大好きでした。(ぼろぼろ泣きました)
弱くて当たり前です、ではなく、誰もが思えたらいい、というところ。
それを菅田さんが、「言葉にしなければいけないのがかなしかった」というようなことを仰っていて。そういう菅田さんが整くんだったからこそだなぁ…と。
何かが癒されたり救われたりするってきっと、その傷が見えないように跡形なくきれいになることだけじゃない、
セメントの跡が埋まる感覚や、埋まった跡形が、ちゃんと残って、固まって土台になって、生きていく力になること、その過程が、誰かへの優しさになること。
弱い自分も受け入れられる(周りからも、自分自身も) という心強さは、何より生きる力になるんじゃないかと思った。
一度しか観られていないけど、とても心に強く残る作品でした。また映画館で観たいなぁ。

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