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入管法改正がなんとなくわかる話(無党派の意見)

1:今回の入管法の改正って何?


外国人の出入国を管理する部分の法案で、
これまで問題だった

難民申請をし続ければ強制送還にならず、不法滞在の状態のままでもずっと日本に滞在できていた。

条約上の難民には当たらないものの、一般的なイメージの難民に相当し保護する必要のある戦争避難民等の立ち位置が曖昧だった。

主にこの部分を修正する法案になっているようです。


2:どういう修正?

難民申請をし続ける事で出来る不法滞在を申請2回までにし、3回目以降の難民申請の場合は正当な理由がなければ強制送還できるように変更。

条約上の難民にあたらない場合でも保護できるように規定。

出入国在留管理庁の国会提出法案(入管法改正案)
参議院議案情報:出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(入管法改正案)

参考資料リンク


3:今回の入管法改正で影響受ける人受けない人


ほぼ影響受けない人

 一般的な生活をしている日本人全般
 合法的に日本に滞在している外国人
 不法滞在発覚時に自主的に自国に退去する外国人

影響受ける人

 不法滞在かつ難民申請3回以上で滞在している外国人(不利益)
 またその関係者・親族等(不利益)
 条約上の難民に規定されてない戦争避難民等(利益)
 出入国管理局職員(利益)


4:賛成派と反対派の意見の疑問部分。私的見解。


ツイッターで見ていて疑問に思った部分

賛成派の疑問部分:
今回の法案によって外国人が減る・外国人の犯罪が減る等の意見

これは今回の入管法改正では多くの在日外国人への影響はほぼないと思われます。あくまで難民申請の穴を利用した不正利用部分が改正の内容なので、合法的に入ってきた外国人や発覚していない不法滞在は影響ないと思われるからです。
また、どちらかと言えば今回の改正で避難民の受け入れ範囲を広くしているので、アジア圏での戦争があった場合は受け入れ人数が増える可能性が考えられます。
それに岸田総理も外国人労働力を拡大する動きを見せているため、日本へ来る外国人自体は当面増えると思われます。


反対派の疑問部分:
日本の難民認定率が低いという意見

ツイッターやグーグル検索では難民認定率が0.7%や0.3%という数字が出てきますが、確かに一番低い数字且つ難民認定だけで言うのなら平成29年の約0.25%、令和元年の約0.6%が該当しますが、この周辺の年は申請数が他の年と比べて10000を超え格段に増えており、むやみやたらと申請している可能性が疑われるので参考にするのには適切でないように思えます。

また直近の令和4年・その前年の令和3年にはそれぞれ難民だけの認定率でも約6.2%・約3%となっており1%をきっているという表現はミスリードを誘っていると言わざるを得ません。
さらに条約上の難民認定はされてはいないものの「その他の庇護」で滞在を許可されている人を入れると令和4年では約52.9%、令和3年では約27.1%になっており、外国人の戦争避難民等の受け入れは十分にしていると思われます。


余談ですがグーグル検索で最初に出る難民認定率0.3%と書いてあるサイトは単純に計算が出来てないだけかと思われます。2413人中74人の難民認定なので2021年(令和3年)の数字は約3%となります。

出入国在留管理庁 報道発表資料・令和4年における難民認定者数などについて・「我が国における難民庇護の状況等」

参考資料リンク


5:ウィシュマさんについて。私的見解。

ウィシュマさん死亡事件ウィキペディア

参考資料リンク

参考資料を見てもらえればわかりますが、ウィシュマさんの件は、今回の入管法改正の内容とは全く関係がありません
この件で職員の言動や行動に問題があるとは思いますが、
今回の入管法改正は難民や避難民等に対しての改正が主な内容なので、難民認定されるために来日したわけではないウィシュマさんの話を持ち出すこと自体よくわかりません。

「ウィシュマさんの事件の問題は今回の入管法が改正されたとしても改正されなかったとしても変わらない部分」です。

ただ今回の入管法の改正とは別にこの件は職員の倫理教育等はした方が良いように思います。


6:今回の入管法改正法に賛成の理由


参考資料:出入国在留管理庁の「難民庇護の状況等」を見ていただくとわかりますが、一定時期に難民申請が不自然に一気に増加しているので、その年周辺は難民申請の不正利用の可能性が考えられます。
このような状態が続いた場合、難民申請の不正利用者によって職員の負担が大きく増えることとなりその結果、一人一人に対して細かい審査にかけられる時間が減り、
最悪、本来難民もしくは難民相当の避難民(その他の庇護)として受け入れられる人まで申請が落とされる可能性が考えられます。
そうなることは審査する職員にとっても日本にとっても不本意と思われ、今回の改正案のように難民申請の不正利用を抑え、職員の不必要な負担を減らし、それを除いた本来の難民申請数で審査が出来るように改善する必要性があると私は考えています。

また、きちんとした手順をとって合法的に日本に滞在している外国人がいる一方、難民申請の乱発という制度の穴をついた不正に近い形で滞在し続けれる外国人がいるという状態は公平性の面からも問題があるのではと考えます。

今回の改正内容に気になる問題部分はまったくないというわけではありませんが、以上の点から今回の入管法改正は必要かと思います。





今回は以上となります。
複雑な部分をなくして、入管法改正よくわからない。という人にもある程度わかるようにしたつもりですがどうでしょうか。




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