男と女が共に靴を脱ぐ場面は、
たとえば居酒屋の個室。
靴を脱いでしまうと、いささかくつろぎやすく、
さらにおいしい料理とお酒と会話を堪能して帰る時、
玄関に靴がそろえて並んでいるのを見ると、
小さな女の靴が大きな男の靴に寄り添うように並び、
それがなにか艶かしく、
あたかもベッドの上で
裸体で横たわる男と女みたい。

ホテルの一室に入って再び靴を脱げば、
ことが終わるまで不要となる靴は、
扉付近で仲よく２足、並んでいるしか無く、
その場で二人の絡み合う姿を眺めている。

二人がしている時計も同じ。
男の時計は女のものよりも大きくて、
外された二つの時計をベッドの枕元に二つ並ばせると、
今ここで裸体で並んで横たわっている二人の姿みたい。

そしてこれから時間を忘れるひとときを過ごす間、
並んでいる大きな時計と小さな時計は、
同じ時間を刻み続けている。

ベッドの下の床には、
男の大きな下着のそばに、
天女の羽衣のよう薄く小さな女の下着が横たわり、
上で繰り広げられている痴態を感じながら、
ことが終わって再び、
拾い上げられて身につけられるのを待っている。

男の持ち物は女の物よりも大きくて、
並んでいるとさらにその大きさの違いが際立つように、

ベッドの上でも、
あなたは私を男として自信を持たせてくれるように、
いつも大きく見せてくれている。

だから私の最も大切な所有物である、
あなたの存在がとっても大きい。