青葉

古今東西、様々な文学が生まれてきていますが、その多くで男と女の恋愛が描かれ人々は共感し…

青葉

古今東西、様々な文学が生まれてきていますが、その多くで男と女の恋愛が描かれ人々は共感し、自分の恋愛に置き換え感動してきています。 恋愛には様々なテーマは尽きず、 そんな奥の深い男と女の間に艶を上品に情緒をこめて物語にしていきます。 写真は全て自分が撮影したものです。

最近の記事

駅のような存在

駅はその土地の玄関口で、 その場所の風情、情感を代表する存在だから、 男と女が初めて会って一目惚れするように、 旅人がまずその駅に降り立って感じる旅情の重要性を考えれば、 駅のたたずまいをおろそかにしてはならない。 駅は様々な物語の舞台となり、 出会いの場所であり、人生の象徴ともなり、 誰もが自分の住んでいる町の駅とは別に、 大切にしている駅がある。 たとえばとっても大切な人に初めて会った場所も 最後に別れた場所も駅であることはよくあることで、 何年かたってその駅を再び

    • あふれる想い

      心を静かに整えるために、 ひとり静かに「瞑想」しているのに、 いつの間にか「瞑想」は「妄想」に変わっている。 脳裏の中に、 あなたの艶やかな裸体と めくるめく激しい情事を「回想」し、 さらに奇想天外な「空想」を膨らませ、 あなたとの淫らな「幻想」に浸り、 今度会ったときは、 こんなふうに抱いてみたいと「構想」する。 そしてあなたに会えてあなたを抱いた時、 「予想」通りあなたが乱れて終わった後は、 私に向かってあふれるほどの 「愛想」をふりまいてくれる。 あなたとの情事の

      • 嵐のように抱きしめて

        嵐の夜に一人静かに目を閉じて耳をすませていると、 いろんな音が聴こえてくるようだ。 激しい雨が地面に当たる音、 吹きすさぶ風が建物を通り過ぎる音に混じって、 魔物が騒ぐ音、妖怪が戯れる音、あるいは、 女がすすり泣く音まで聴こえてきそう。 そんな嵐の夜には、 どこにも行くことができず、 誰も訪れることもないから、 もしあなたと二人で一緒に過ごせるなら、 テレビも消して、電気も暗くして、 浮世から断絶したような気分に浸りたい。 あなたがどんなに大きな声を出そうとも、 激しい

        • 障害を乗り越えて

          順風満帆な男と女であればあるほど、 ほんの少しの挫折やつまずきでも、 たちどころにおかしくなってしまうこともある。 仕事も恋も、 いろんな課題や障害にぶつかって、 それの時考え抜いて、我慢して乗り越えるからこそ、 そのあと大きな成果となって現れる。 しっかりと準備と段取りをして 必ずうまくいくと信じていたのに、 無能な上司の采配ミスで それまでの苦労が水の泡になる。 お互いに会いたくても タイミングが合わない日々が続き、 ようやく会える約束ができたのに、 不可抗力の出来

        駅のような存在

          自慢の恋人

          人は誰もが密かに自慢したいものをもっている。 それはたとえば、 子供のときに集めて大切にしまっている趣味の宝物、 素肌の上に身に纏うこだわりの下着、 秘密にしておくものもあれば、 みんなに見せびらかしたいものもある。 みんなに見せびらかしたいけれども、 そしたら誰かに穫られてしまいそうだから、 やむなく内緒にしていることもあるだろう。 それは恋人にもあてはまる。 あんな綺麗な女を彼女にしているなんて、 あんなかっこいい男を彼にしているなんて、 友人からみれば、 垂涎

          自慢の恋人

          過ぎれば過ぎるほど

          「美しすぎる」、「かわいすぎる」などの 「すぎる」という言葉をよく耳にする。 これは一定の水準、基準を超えることを 高く評価してはいるようだが、 言外には皮肉めいた意味も込められているよう。 「過ぎたるは及ばざるが如し」ということわざがあるように、 何事も頃合いというものが大切。 しかし、男と女の場面においては、 過ぎることはむしろ歓迎すべきこと。 あなたが私にいつも言う。 「大きすぎて、激しすぎて、凄すぎて、もうだめ」 私はあなたにいつも言う。 「いやらしすぎて、乱

          過ぎれば過ぎるほど

          今夜の献立

          あなたが毎日食事を作るなら、 今夜の献立を何にしようと日々悩むだろう。 スーパーに行って今日の特売の食材を選ぶのか、 今が旬の食材を選ぶのか、 あるいは何となく食べたいものを選ぶのか。 いずれにしても 買った食材をいそいそと自宅に持ち帰り、 自分のために、 あるいは大好きな人のために、 夕食の支度をする女。 その姿はきびきびとして、清らかで、 味見をして浮かべる笑顔を見る男がいたら、 その後にいただく食事もさぞかし美味しいだろう。 そして、 私があなたを毎日抱けるなら

          今夜の献立

          嘘でもいいから?

          どんなに狂おしく淫らに愛しても、 どんなに激しく抱いてあげても、 どんなに乱れさせて、汗まみれにさせても、 ことが終わり、 余韻のひとときの時間が流れて、 再び服を着て帰り仕度を始めれば、 それまでの姿がまるで嘘のように、 あなたはみるみるうちに元の姿に戻っていく。 すべて準備が整い、私の前に立つあなたは、 私が乱暴に剥ぎ取った服も、 乱れに乱れた髪の毛も、 満開の桜のように紅潮した肌も、 まるで嘘のように、綺麗に整えられ、 私に見せる笑顔も、いつもの笑顔に戻っている

          嘘でもいいから?

          この両腕いっぱい

          両腕いっぱいに野菜や果実をかかえて、 笑みを浮かべている農夫がいたら、 その目には彼を嬉しそうに眺めている 家族や仲間が写っているだろう。 両腕にいっぱいに書類をかかえて、 切なそうにしている会社員がいたら、 その目には彼に厳しそうに指示を飛ばす 非情な上司が写っているだろう。 両腕にいっぱいにおもちゃをかかえて、 はしゃいでいる子供がいたら、 その目には楽しそうに一緒に遊ぼうと 駆け寄ってくる友達が写っているだろう。 両腕にいっぱいに花束をかかえて 緊張している少年が

          この両腕いっぱい

          四季のふくらみ

          あなたを静かに抱き寄せると、 少し斜めにあなたの体が近づいて、 最初に右の乳房が私の胸に当たる。 私の固い胸板に その柔らかい膨らみが当たってつぶされて、 私はその感触に、 春の日だまりに包まれ咲く花を思わせる。 そしてあなたの背中に手を回し、 ぐいっとこちらに引き寄せると、 今度は左の乳房も私の胸に当たり、 私はその感触に、 夏の青空の下を気持ちよく飛ぶ鳥の気持ちになる。 しっかりと抱き合って、 あなたの二つの乳房が私の胸板につぶされ、 あなたの両腕が私の首元に絡み付

          四季のふくらみ

          「好き」だけの花占い

          まだ恋を知ったばかりの少女が、 その恋の行方を占うために、 手折った花の花びらを ひとつずつ取っていく花占い。 「好き?」「嫌い?」「好き?」「嫌い?」と、繰り返す。 大人になっても 恋の経験の多い少ないは関係なく、 相手の気持ちを知るために、 いろんな願掛けをしてしまう。 だから恋占いや恋愛成就の神様のいる神社に人は頼り、 そんな過程を楽しむのもまた、片恋の面白さ。 そしていよいよ想う人と相思相愛となり、 初めて体を許し合うときでも、 恋愛成就の最後の願掛けが待って

          「好き」だけの花占い

          たよりになる人

          意識的にしているわけではなく、 意図的にしているわけでもなく、 ただ自然な仕草とその佇まいだけで、 そばにいる人にたよりにされる力を持つ人がいる。 あの人に頼んだらなんとかしてくれる。 あの人についていったら道に迷うことは無い。 あの人の言葉を聞いていたら元気になれる。 そんなたよりになる人は、 特に特別なことをしているわけではなく、 ただそれまでの人生と価値観の積み重ねで、 そんな力を作り上げてきたのだろう。 人が恋に落ちた時、 その理由のひとつに、 どこかたよりにな

          たよりになる人

          愛の無重力

          あなたとの長く濃厚な交わりを経て、 いよいよ果てようとする時に、 私は無重力の状態になっている。 あなたの体にしがみついて 必死に腰を動かしているのに、 あなたの上にいるのか下にいるのか、 それとも後ろにいるのか、 よくわからなくなっていて、 ただ打ち寄せる大きなうねりに身を任せて、 その瞬間の訪れに備えている。 無重力になっているから、 あなたの頭か尻か乳房か手首かに、 掴まりたくなっている。 私のものがあなたの中で一番大きくなって、 一番奥まで貫いているのに、 あな

          愛の無重力

          あなたならできる

          私に抱きついて自分からキスをすること、 私の唇の中に舌を入れてからみつくこと、 自分から服を脱いで全裸になること、 私に体を愛撫されて淫らな声を出すこと、 私の大きくて太いものを喉まで飲み込んでしまうこと、 あなたを抱く前に あなたならできると、私は思った。 ほら、やっぱりみんなできて、 むしろ上手になっている。 私の指に掻き回されて潮でシーツを濡らすこと、 私に貫かれて響き渡るほどの絶叫をあげること、 上になったならふしだらに腰を動かすこと、 後ろから入れられて震えな

          あなたならできる

          あなたを好きな自分が好き

          あなたは自分のことが好きですか? 人は誰もが自分自身に嫌いなところがあり、 特に思春期では友人と比べて、 自分が劣っているところばかり数えて、 劣等感に苛まれた時期。 大人になっても自分の嫌いなところは無くならず、 それを治そうという努力もなかなか実らない。 しかし、唯一、 自分を自分で素直に好きになれるのは、 大切な人がいるときで、 そんな大切な人の前にいる自分と、 そんな大切な人を好きになれた自分を、 誇らしく想えるとき。 大切な人と抱き合えて、 大切な人と愛し合

          あなたを好きな自分が好き

          月は見えねど空にあり

          たとえ満月が空にあったとしても、 その間に雲が掛かれば光すら通さず、 この目には月があることすらわからない。 しかし私たちには 体のどこかに月を感じる力があり、 満月が見えなくても空にあるのを、 きっとわかっているのだろう。 月は地球を楕円軌道で回っているから、 近くなったり遠くなったりするが、 月と地球が触れ合うことはない。 月は見えねど空にあり。 私とあなたはたとえ遠くにいても、 お互いの存在をいつも感じている。 そして近づいたら、 くっついてひとつになれる。

          月は見えねど空にあり