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幼児教室に行くかすごく迷う

息子とそれなりに外出が出来るようになり、
すこし遠くの公園を散歩していた帰り道。
ある幼児教室の勧誘を受けた。

そこは前からインスタなどで見かけて、
教育系の発信をしているママが、体験だけでも勉強になると言っていた。
行ってみようかな。
でも体験に申し込んでも、行くとなるとちょっと遠いし。
なんて心で言い訳して、そのままにしていた。

この場で申し込めば、数日後に体験レッスンが無料で受けられるという。

実際これから通うとなると、冬は雪でベビーカーもつかえないし、バスと地下鉄を乗り継いでいかなくてはいけない。
まだ息子はおとなしく手をつないで歩いてはくれない。バスなどつかってもどれくらい時間がかかるか未知数だ。
毎回タクシーというのも現実味がない。

「うちからだと教室が遠いので、たぶん通うことはないと思うのですが、体験だけでも良いんでしょうか?」
「大丈夫ですよ。もっと遠くから体験来るかたもいますし、年齢が上がったとき通う選択肢の参考にもなると思いますし」

良かった。とりあえず今ならベビーカーで行けるし、1日体験なら気軽だ。
良い機会だし、と申し込んだ。

体験当日。
ふだんあまりメリハリのない生活をしているので、なんだかお出かけ気分で楽しい。
ドキドキしながら教室につくと、勧誘してくれた方はおらず、先生が明るく迎えてくれる。
わたしたちの他にはかわいい女の子ふたりとそのママ。全部で3組らしい。
先生が、雑談でママたちと先週の話をしている。
わたしは体験会だと思っていたので、
実際に通っている人たちに混ぜてもらうとは思っていなかった。
リアルな様子を感じる。

「実際にこれから通おうかな、というお考えはありますか?」
「家が遠いので、実際に来るのは難しいんです。」
「(一瞬の間)」
…なんで来たんだ、と思われただろう。
先生は気を取り直した感じで
「では、体験楽しんで行ってくださいね。」
優しい先生で良かった。

最初から緊張しっぱなしだった息子は、
レッスンが進むにつれ、だんだん楽しくなって来ているのがわかる。緊張のなか、頭がスパークしている感じ。頬がピンク色に染まっている。そして目を見開き、笑っている。
月齢が近い子とのふれあいも新鮮で、
楽しい時間だった。

レッスンが終わると、次の時間の生徒さんやママ、パパがすぐ入ってくる。
先生は絶えず忙しそうだ。
そんななか「どうでしたか?」と声をかけてくれる。
「息子が楽しそうで。ちょっと検討します」
先生は資料をくれた。

全く通う気がなかったのに、帰宅後も真剣に資料を見つめる。
3歳までに脳の80%が決まるらしい。
なんだか一刻も早くはじめないといけないような気になる。

黒川伊保子先生の息子のトリセツを読んで、
ゆったり子育てをしようと決めていたのに、
考えは揺れる揺れる。

そんななか、先ほどの幼児教室の先生から電話がかかってきた。
「先ほどあまりお話できなかったので、いかがだったかと思いまして。」
「息子が思ったよりずっと楽しそうだったので、
どうしようかと思っていたところなんです。」

先生も、息子がすごく楽しそうに見えた、キャンペーンを利用して短い期間だけでもどうか、今月中ならキャンペーンが利用できる、キャンペーン利用の申し込みは5日後が締め切りなので、それまでに連絡を、という説明をされ、電話は終わった。

うーん。
まさかこんなに迷うことになるとは。。
通わないけど、色々勉強になるだろうと思って軽い気持ちで参加したけど、
やっぱり息子に良い刺激になってそうなのは間違いない。
息子のピンク頬の笑顔が何度も蘇る。

旦那が帰宅後、相談する。
行ったらいいじゃん。あっさりと言う。
ただ、キャンペーンを利用しても安くはないし、冬の交通機関も心配だ。
旦那はわたしが決めたら良いという。
仕事も忙しいのはわかっている。
ふだん旦那に頼りっぱなしの部分も大きい。
育児のことは、やっぱりわたしも責任持って色々考えて結論をだそう。

…迷う。
行こうかな。
「3歳までに80%」
頭を何度もよぎる。
でも、安くはない。
それに、周りのママや、周りの子と比べて、
あせったり落ち込んだり、
周りを気にして息子に我慢させてしまったり、
気持ちが揺れる可能性が高い。
わたしは頑固なところもいっぱいあるのに、
いろんな言葉に影響されて、いつも気持ちが揺れている。

息子はそんな母親の様子に敏感なはずだ。
あせらないで、ゆったり今までどおり、子育てしても良いんじゃないか。
でも…

あんまり人に相談するのもさらに混乱しそう、と思っていたけれど、ひとり、信頼している友達に連絡してみる。
友達の子どもは息子と同じころ、リトミックに通っていたらしい。
効果はわからないけど、
同じくらいの月齢の子どもやママとの交流ができたし、楽しかったと言っている。
立派に成長している友達の子どもの顔を思い出す。
ますます迷う。

いよいよ期限の日当日となった。
何度か旦那に迷っていると伝えたが、旦那が明確な意見を言うことは無かった。
「息子のトリセツ」に再度目を通す。
ネットで黒川伊保子先生の名前で色々検索する。

「言語教育に限らず、先へ先へ教材を渡すことは、脳には酷なこと。脳の発達には、「偶発性」というのが、とても大事です。偶然出会うこと、ですね。脳は、センスや知識の構築が行われるとき、そのために必要なアイテムを、周囲から勝手に見つけるのです。」

ふーむ。
こういう意見もあるか。

きっと、幼児教室で能力開発をすることで広がる選択肢もあるだろう。
そして、幼児教室に行かず、「偶発性」によって何かと幸せな出会いをすることが功を奏す場合もありそうだ。

どちらを選んでも、悪いということはない。
はず…

とりあえず、お金をかけなくても、わたしに出来ることはいっぱいある。
体験会で、「まだ早いかな?」と思うようなこともどんどんやらせて良いんだ、ということも学べた。
小さいころピアノを習っていて、音楽も多少教えられる。
絵本も読んであげられるし、
一緒に色んなところに行ける。
散歩も語りかけも、これまで以上に向き合おう。

今回は入会を見送る旨を先生にメールした。
図書館で絵本をたくさん借りて、行政の子育て支援センターで情報を仕入れてきた。
子連れで行けるコンサートも行ってみよう。
旦那は、行くか行かないか、どちらが良いかは正直わからない。わたしが色々調べて、その結論に至ったということだから、100%賛成だと言ってくれた。良かった。

ここまでしたのに。
…「3歳まで80%」
まだ、迷っている。
資料を読み直す。
うう。
迷う。まだ迷う。
ものすごい脳の成長期に、せっかくの機会だし…
苦しいくらいになってくる。
旦那にまだ迷っていることを正直に伝え、
先生にも連絡。
空き時間だったらしく、すぐ電話してくれた。
「そこまでママが迷っているなら、きっと入ったら良いと思います」
…誰かからそう言われるのを待っていたんだと思う。結局入会したのだった。

こうなったら、まず、楽しむぞ!


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