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Amazonオーディブルを試してみる

おはようございます。
あおはるです。

Amazonのサービスは多種多様。
ネットショップやAWS以外にも、PrimeVideoやKindleUnlimitedやAmazonビジネスなんてものまで様々あります。

先日、KDP(ダイレクト出版)に関しては実際に試してみて、これは良いサービスだと感じました。
本を出してみたいという方はぜひ挑戦してみてほしいです。

さて、今回はAudible(オーディブル)というサービスについて。

日本では2015年7月にサービスを開始。

要は視覚のテレビに対して、聴覚のラジオ。
本の朗読版です。

Kindleで電子書籍という分野を抑えたAmazon。
当然のように視覚以外に聴覚の分野もシェアを獲得しようと動いてきます。
(※オーディブルの買収は2008年に約3億ドルで行われています)

本の朗読版というのは面白いと思うんですよね。
Voicyやインターネットラジオのように音声のサービスというのもまだまだ伸びると思います。

ただ、結論からいうと、オーディブル期待したいんですけど、現状はまだちょっと微妙だなーと思ってまして、
以下の観点で考えてみます。

・サービスの質
・コンテンツの質
・事業とプロモーションの力の入れ具合

最後まで読んでいただければ幸いです。


Amazonオーディブルってどんなサービス?

さて、まずサービスの質から。

何ができるのか?

本をプロの声優さんやナレーターさんが朗読してくれます。

いくら掛かるのか?
月額1,500円です。月に1本まで無料。
Audible会員なら交換できますが、月額でラインナップから見放題のPrime VideoやKindle Unlimitedと比較すると、月額なのに無制限ではありません。

wikipediaだと全タイトル聴き放題の定額制サービスとありますが、それは開始当初の話。
2018年に無制限からコイン制に変更されました。
オーディブルのFAQでも読み放題ではないと注意書きがあります。

まず、ここが微妙。
実質無制限なのかもしれないですが、返品特典ってなんだか意味不明な言葉に感じられます。
これは特典なのか……?

月に1,500円払うと、コインが1枚もらえて、その1枚を本と交換できる。
本を返品するとコインが戻ってくる。
という話で、アカウントサービスの中に「購入履歴(返品)」という項目があるのですが、返品はあまりしないでねという注意があるとどう捉えてよいかわからないですよね。

また、別途ダウンロード販売もあり月額会員だと30%OFFになるのですが、返品できるならコイン返品で買い直すでしょうし、ちょっとどっちつかずというか、特にいわゆる月額定額課金で読み放題ではないというのが、サービスとしてはわかりづらく致命的です。

コンテンツとサービスで評価を分けて考える

次に、コンテンツの質はどうでしょうか。
Amazon PrimeもKindle Unlimitedもけん引したのはコンテンツです。

プラットフォームの拡大に最も重要なコンテンツの質。
CMから見てみます。

おそらくこういう使われ方を想定していたのだと思いますが、これだと漠然とし過ぎているので、

実際は、英語のリスニングなど学術系か、物語・アニメの朗読の方が具体的にコンテンツのイメージがつきやすいです。

これは可能性を感じました。

ビジネス系朗読はYoutubeに奪われているので、オーディブルは特に声優さん人気でけん引できると流行りそう。

Kindle Unlimitedのセルフ出版のように、ユーザーが投稿したものを販売できるような仕組みもあると、UGC(User Generated Content)としても拡大できそうです。

ただちょっと複雑そうなのが権利の問題。
利用者としては、朗読にあたってテキストもあった方がよいのですが、音声だけの利用権利と、本のテキストの権利は異なります。

テキストを含めてしまうと、書籍+音声のコンテンツになりますので、単純に書籍よりもコストが掛かり、利益がでづらくなりそうな構造です。

事業とプロモーションの力の入れ具合

最後に事業とプロモーションの力の入れ具合。

結局のところ、流行るというのは多くの人に知ってもらえている状態であり、流行らせるためには一定のプロモーションが必要であり、プロモーションをするにはお金が必要です。

つまり、事業として伸ばそうとしているかどうかがポイント。

こちらの記事によるとオーディブルは月間15万人〜35万人ほどで推移。
キャンペーン時に伸びているので、定常は20万前後と思われます。

1,500円×200,000人と仮定すると、約3億円/月の売上です。
他にも単品DLはあると思いますが、ざっくりと年間で約36億円。

アマゾンジャパンの2019年の売上は約1.7兆円なので、比率は0.21%。
単体では決して少なくない金額ですが、アマゾンにおいては物足りない事業かもしれません。

まとめ

Amazonオーディブルは流行るのか。
流行るというのも抽象的ですが、アマゾンにおいて月間20万前後の利用者というのはまだまだの状況でしょう。

これが将来的に日本のYoutube視聴者数の月間6,200万人くらいのサービスになっていくのか。

冒頭の評価軸でみてみますと、

・サービスの質:×(使いづらい)
・コンテンツの質:△(朗読は良いがテキストも欲しい)
・事業とプロモーションの力の入れ具合:×(あまり力入れてなさそう)

と、ちょっと厳しい印象です。

キラーコンテンツが登場するかどうかがカギになりますが、アマゾンだったらPrime Videoのようにオリジナルコンテンツ配信できるでしょという期待はあるものの、事業規模的にあまり力を入れてなさそうなんですよね。

権利の問題や、作り手とアマゾン双方が儲かる仕組みになっているかといった課題もありそうです。

音声メディアは年々伸びているので、今後も伸びていくと思うのですが、現時点では地道に自社の事業を拡大するよりも、市場が形成された後に、さらに有力企業を買収する方が早いのかもしれません。


私の場合、この分野に興味があるのと、コンテンツ自体は面白いので、30日無料が終わった後も続けるかは迷いどころです。
しばらくは利用し続けてみる予定です。

いま聴いてみているのは新海誠さんの「言の葉の庭」です。



以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。




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