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見守ることもネガティブ・ケイパビリティ

就職浪人している娘に言いたい
「慌てなくていいよ。よく考えなさい」と。
そして、娘を見守る自分にも
「力を込めて見守りなさい」と言い聞かせたい。

「見守る」ことはネガティブ・ケイパビリティ


ネガティブ・ケイパビリティは、結論を出そうと焦らず、モヤモヤした状態に耐える力のことをいう。
「見守る」こともネガティブ・ケイパビリティなのである。


老子の「無為」の思想は東洋のネガティブ・ケイパビリティ


枝廣さんは、この本の中で、「老子」の「無為」の思想を紹介している。
「無為」とは「何もしないことに全力を傾注する」こと。
この老子の「無為」の思想が、まさにネガティブ・ケイパビリティだという。
ちょっと理解しにくいが、次のユングの例がわかりやすいので引用する。

ある時、1歳の孫が遊びに来た。ようやく歩けるようになったという。そこで「歩けるようになったのか。歩いてごらん」と、よちよち歩くその後をつかず離れず、転んだらすぐ引き起こしてあげられるように、全神経を孫の後ろ姿に集めて、ずっと一緒に歩いて行った。
その時、「これが無為なんだ!」という発見があったという。つまり、緊張感を持って見守るということが無為なんだ、と。「ああしろ、こうしろ」、「こうやらなきゃいけない」と言えば言うほど、孫は戸惑ってしまう。他人は、そう言われれば言われるほど、混乱する。したがって、「緊張感を持って見守る」ということが、すべての基本なのだ。

「答えを急がない勇気、ネガティブ・ケイパビリティのススメ」より引用

枝廣さんは
ネガティブ・ケイパビリティのある人は「器の大きい人」
ネガティブ・ケイパビリティのない人は「器の小さい人」と表現している。

私は器の小さい人間なので
「ああしろ、こうしろ」と言いたくなる。
言いたいのをじっと我慢するのは、とてもエネルギーのいることだ。

娘にはネガティブ・ケイパビリティのある人間になってほしい。

私も、娘を緊張感を持って見守ることで
自身のネガティブ・ケイパビリティを鍛えたい。

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