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雨のディレダワと通勤通学事情

今日は早朝からずっと雨が降っていた。

5時、6時、7時…いつもなら通勤時間帯には止むのに、今日は一向にその気配がない。
しかも、雨脚がかなり強い。

8時にはカバレ07事務所に行かねばならない。前日に07のオブザーバーであるタレケンと約束したのだ。

タレケンは来るんだろうか。
電話しても、でない。

繋がらないなら、行ってみるしかないか。赴任して初めて雨ガッパと長靴を出動させて、いざ雨の街中へ。


ディレダワはそんなに雨の多いところではない。首都のアディスアベバなどは、雨季は1日雨が降って寒いし洗濯物を乾かすのが大変だそうだが、ディレダワの雨季は午後か夜に1時間くらい激しい雨がザーッと降ってあとは晴れている。

それが、朝にこんなに長時間雨が降り続くなんて。7カ月ここで暮らして初めてだった。

運よくバジャジの運転手をしている近所のお兄ちゃんが家の近くで拾ってくれたので、バジャジに乗り込む。中学生くらいの子と近所のおっちゃんと相乗り。まず学校に子供をドロップして、それからおっちゃんの仕事場と私の行き先に回ってくれるという。

2回目の電話は繋がった。タレケンも難儀していて、着くのは8:30になるらしい。

初めて大雨の中の街を巡る。舗装されていない道路がぐちゃぐちゃなのは予想していたけれど、舗装された道路にも小川ができていた。水はけがとても悪いのだ。側溝があるところも、側溝にゴミが捨てられていることが多くて溢れやすくなっている。地元の人はflood(洪水)だと表現している。

小学校低学年くらい制服姿の女の子が、スカートをまくりながらサンダルで水の溢れている場所をじゃぶじゃぶと歩いていた。逞しいけど、できることならバジャジに乗せてあげたい。サンダルか…。

バジャジが通ると結構な量の水をはねるので、道の端から悲鳴が上がっていた。運転してるのは私じゃないんだけど、なんかごめんなさい。

小川のせいか、ところどころで通行止めがされている。ただ大きめの石を並べて置いているだけなのだけど、皆きちんと避けていく。こうして更に、朝の交通は混雑する。

学校に着いたのは8時すぎ。先生か用務員のような人がカッパを来て校門で生徒を迎えている。へぇ、エチオピアでもお迎えするんだ。

普段の登校時間は8時までだが、今日のような日はそれが緩くなるらしい。

雨でもさして変わらない所要時間で通勤通学できるのって、雨でも輸送能力への影響が少ないインフラがちゃんとあるからなんだな。
今日のディレダワの支障の出方は、5年くらい前に東京でえらく雪が降ったときを思い出させた。


約束の8時は少し過ぎてしまったが、私もカバレ07に到着した。さぁ、どうかな?

うん、暗いな。

都市雇用促進部署では一番乗りである。

まあ、想定の範囲内だ。

むしろ警備員のおじちゃんはちゃんといたことに感心した。

ゆったり待つとしよう。


(1時間半経過)


まだ誰も来ない。

いや、人は来るんだが部署の人ではないのだ。皆「チャイナが来てるぞ」と覗きに来るのである。パンダになった気分。一番最初に身分を説明しておいた警備員のおじちゃんが私の代わりに「チャイナじゃない、ジャパンだ!」と毎回返事をしてくれる。

というかもう9時半だがタレケンはどうした。

もう配属先の事務所に帰ってもいいかな。でも動くなら雨が小雨になってからがいいな。
結局2時間弱待ったけど、誰も来なかった。


配属先市役所に戻り、事務所に行く前にカフェでコーヒー1杯をくいっと。すると。

「Ah~, mon chere amie~!!」

タレケン登場。
なぜかフランス語。「おぉ、親愛なる友よ」って、あなたジャイアンですか。

―なんでここにいるのかなぁ~?約束は~!?

「HAHAHA、雨だからね!」

…二の腕ペシペシするくらいは、許してほしい。

お金払って学校行く子供たちは登校してるのに、給料もらっている公務員がこんな感じか…。
これもボスと一緒に頭を抱えている事案である。

「いやぁ、本当に申し訳ない!ハベシャタイム(遅れるのが当たり前のエチオピア人時間のこと)があったとしても悪いと思ってるよ!」

―顔が反省しとらんで。

「明日!明日は行こう!」


…明日は雨が降りませんように。


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