トラブルの仲裁は一筋縄ではいかないらしい
「マルカで企業同士の争いがあってね。仲裁に行くんだけど、一緒に行く?」
そんなの私が見に行っていいのかと思ったけど、リアルが見られる貴重な機会なので行くことにした。
―企業同士の争いって?
「最初にある企業がそこでビジネスをしていたんだけど、あとからそこに入り込んできた業者がいてね。喧嘩になっているんだ。」
…いいじゃん競合。健全な市場じゃん。と資本主義の日本で育った私は思うのだけれど、ここではそうはいかないらしい。
「リソース(恐らく顧客の意味)が限られているからね。ビジネスをする地域を割り当てなることになると思うんだけど、決着がつかなくて。」
…エチオジブチ鉄道の降車客へのサービス事業だから、確かにそれは顧客が大分限られるだろう。それでもそれをビジネスにすると決めたなら、サービスなどで競合して生き残りを目指すのが、私のセオリーである。
社会主義政権は打倒したものの、国民はまだ政府に大きく依存している。
企業たちは、それぞれの言い分を通して政府からビジネスのお墨付きを、競合のない快適な環境を与えてもらいたい。
政府(ここでは市役所)としては、この揉め事をいかにおさめるかが彼らの評価に関わってくるので、何らかの形で決着を着けなければいけない。
今日同行した別の上司は「3社で争ってるんだけど、最終的にどこか1社に決めて残りには別の仕事を与えなければ」と言っていて絶句した。
首相のアビーさんは、今年の経済フォーラムで資本主義志向を表明している。
道のりは険しそうである。
前置きが長くなったが、とにかくこの議論の行く末を見守ろうと同行を決めた。
9:00 集合。メンバーが足りない。
9:15 現地へ出発。事務所から車で20分ほど、市の端、マルカという地が決戦の場であるらしい。
マルカの地域オフィスに到着。オフィス職員と若者代表をピックアップ。コーヒー休憩。
10:00頃 エチオジブチ鉄道の駅舎に到着。どうもここの待合室で話し合うようだ。
女性2人、男性1人と合流。しかし始まらない。
まだ来ていない企業があるそうだ。
始まる前に、駅の中をまわってみた。
このエチオジブチ鉄道は中国が出資しているからか、とても近代的で立派な駅舎である。
だけど利用客が少ないのかたまたまなのか、ガラガラ。
そして気になるものがちらほら。
超シンプルな飲料水提供場所。今見直すと、案内板との位置関係的に実は蛇口は関係ないのでは?機械があったけど何らかの理由で撤去されたのでは?と想像が膨らむ。
しかしこの蛇口のとこ、下にパンあったらもう洗濯機の設置場所にしか見えない。
…一休さんを呼ぶ必要がありそうだ。
10:30 一同移動。理由を聞いたら「企業来なかったから、また月曜日にやる」。
金曜日は、ムスリムの人たちの礼拝があるため事務所は11時で閉まる。
それに合わせたのか、早々の撤退。
いいよ、慣れたよ。よくある。うんうん。
月曜日は別の調査に同行するから成り行きを見守れないな…。でも仕方ない、事務所に戻るか…。
と思ったら甘かった。
もう1つイベントがあったのだ。
思い出したら疲れてきたので、続きは次回。
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