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誰もが目を奪われてく君は完璧で究極のシスコン〜銀河英雄伝説 Die Neue These (3)感想

 姉上ーーーーーッ♡♡♡♡♡♡

※2ndシーズンを見終えた段階で1stシーズンの二周目をキメています。

わりと髪型は自由な帝国軍人たち。

ポニーテールのオフレッサーさん。シャンプーのいい匂いがしそう。
ボブにチャレンジする帝国軍人。外ハネしないように気をつけたいところ
アヴァンギャルドな髪型に挑戦する前列のオッさんたち。
手前のおじいちゃんもサラサラ髪のローポニーテール。

 そう考えると同盟側にこれといった個性的な髪型の人いないな。同盟軍は髪型に対する規則が厳しいのかもしれない。か、軍隊が弱いせいで国防委員会が粘れずにリンスとドライヤーが支給されずシャンプーで頭を洗って寝癖のまま出動しなければならないため、枝毛予防のために自然と短髪にしている!?
 でも髪型に対する規則が厳しいのと軍隊の精強度は比例しないっぽい。世知辛いね!

 でも冷静に考えて、なんでこいつら未来人なのに、こんなメルヘンランドでメルヘンな格好してるんだろう……。なぜ19世紀ドイツやロシアを思わす華麗にして優美な軍人が宇宙戦艦に乗っているのだろう……
 それが冒頭3分で明らかになる。

すべてはこの半裸のゴリマッチョのせい!

ゴリマッチョが世界をメルヘンに変える話

 冒頭が銀河帝国の成立の話だったのでワクワクした。
 西暦2801年、なんだか銀河連邦というのが成立したらしい。

まあ、いろんな人種や民族がいて、未来っぽい図ですよね。

 ところが、なんだか銀河連邦はボロボロになり、もうダメなことになってしまった時、ルドルフ・ゴールデンバウムという人物が国民投票で銀河連邦元首となる。
 ところが、ルドルフはいろんな意味でとんでもない人物だった。

 ルドルフは最初はそのメルヘン好きな趣味野望を悪目立ちしない程度に隠していたが、国家元首になり、もうオレァ好きにやれるぞ!といわんばかりにメルヘンファッションに身を包み銀河帝国初代皇帝になり、世界をメルヘン俺の趣味に染めようと企む。

人類統一政体における最初の専制君主。世界をメルヘンに変えた張本人。
ハウステン●スとかが俺の居場所なタイプ

神聖不可侵の存在になったルドルフは世界を‧˚₊*̥自分の理想とする世界‧˚₊*̥に作り変えた。ま、まさか、おま、おまええええええ!!!

ぎゃーーーっ!!!未来都市がメルヘンランドにーーーっ!!!

 壮観なメルヘンおじさん集団。

大理石のメルヘンな宮殿で仕事するメルヘンおじさん集団。恐怖。
やっぱりずーっと昔から軍人は詰襟のパイピングが銀、文官は金だったっぽい

 さっきまでビジネススーツに身を包んでいた人たちが、いきなりこういう格好し出す恐怖独裁政治怖い

 まだルドルフが出世していなかった頃、連邦議会で、唯一ルドルフの格好だけがむちゃくちゃ浮いてた。みんなビジネススーツを着ているあたり、おそらく軍人でもスーツを着てこの場に出席していただろうから、もう趣味としか思えん。
 軍服コスプレとかアンティークなものとかが好きだったのを自分の思想を個人の趣味うちにとどめておけず、世界に強制してしまったんだなあ

俺たちにできないことをやってのけるルドルフおじさん

 遠未来世界が一人の独裁者の誕生で一気にメルヘンに変えられてしまうの、とっても恐ろしかった 

 でもって、帝国は建国から何百年も経った現在もこの調子である。

遠未来だから、宇宙艦隊なら持ってるぞ〜

 ラインハルトがこのメルヘンを変えるの!? ビジネススーツをビシッと決めた宇宙大将軍ラインハルト待ってる!!? 
 いや、ラインハルトにそこは期待できなさそうだな。

ある日隣に美少年が越してきて……

 まさか全てに恵まれた人がとんでもない美人きょうだいに魅了されて人生の方針大転換するとかいう古典文学にあるあるなシチュをウィーン少年合唱団レベルの上品な美少年たちが政治哲学系スペースオペラSFでやるとは思わなかった

 幼少期のキルヒアイスはそれなりに裕福な家に生まれ、親に愛され、友達もいて、何不自由ない楽しい生活を送っていた。軍人になるという感じでもなく、お庭の温室の蘭が育つとにっこりするようなお坊ちゃんだった模様。

漂う円満家族感。

 ところがある日、隣に花畑の中に佇むとんでもない美少年がいて……

黙って花畑のなかに立っているとこんなに可憐なのに、中身は……。

 こうなって……

軍の幼年学校に入っちまったよ……

こうなった

ルドルフ大帝の半裸の像に敬礼する立派な帝国男子になった。

キルヒアイスの親の気分になると「息子が遠いところに行きすぎる……」って気分だったろうなぁ

 自分より身分の上の貴族とはいえいきなり寄ってきて挨拶もなく「君は!?」って無邪気に人の名前聞く不審者に、びっくりしつつも冷静に対応するの、この回のオーベルシュタインさんに出会った時のキルヒアイスみを感じて、不審者をうまくあしらう才能は幼少期からのものだったのか……と感慨深くなった。

名前をいきなりディスることにより無二の親友を得ていくスタイルのラインハルト

 お姉ちゃん出てきて本当に良かった。このままだと「怖いいいいい!!!」ってキルヒアイスが逃げて銀河英雄伝説始まらないところだった。

 出会ったのが温厚なキルヒアイスで良かったし、正直キルヒアイスの父母が、近所の人間として、ラインハルトとアンネローゼを気にかけてやるべきだと思ったんだけど……。温和そうな二人でも難しいんだろうなあ。キルヒアイスが自分の家にラインハルトをあげる描写がなく、ラインハルトの家で遊んでいる。

「貴族?」
「ええ、そう聞いたけど?」
「そんな風に見えなかったけどなあ」
「貴族といってもいろいろさ」

「あれで「フォン」だってよ」
「可愛げのない貴族様だなあ」

 はっきりと書かれてないけど、どうやら庶民階級はもう貴族に対する忌避感が強く、貴族に妙な反感と偏見を持っているみたいだ。なのでラインハルトみたいな落ちぶれた貴族がうろついていると、千載一遇の自分たちの鬱憤を晴らすチャンスだといじめまくるのだろうか。異物が混入してしまった感じがある。

 ラインハルトはやり返したけれど、姉にはこれ以上心配かけたくないよね。勝ったとはいえ集団で一人の人間を襲う、「いじめがあった」のは事実なのだから。 

 この話ではラインハルトがキルヒアイスと一緒にゴリゴリの貴族社会のなかで自由思想みたいなやつに目覚めていく過程を描いているが、その萌芽はすでにあった。
 第一話の冒頭、貴族のはずの小さいラインハルトはボロボロの服を着て姉と過ごしている。そして、第三話では服がつんつるてんになっている。

足首冷やすと風邪引くよ!

 でも、貴族ではないキルヒアイスは服もつんつるてんではなく、家族と一緒に肉のコンフィかソテー(※ステーキじゃないのが帝国感ある。ステーキとかBBQするのは同盟だろう)のようなものを食べ、飢えも知らず、豊かに暮らしている。
 すでに貴族支配の社会はもう限界にきているのが二人の暮らしぶりからよくわかる。働かずクズ臭しかしないラインハルトの父ちゃん(貴族)より、キルヒアイスの父ちゃん(庶民)のほうが真面目で働き者だから息子に良い暮らしをさせてやれるというのを、ラインハルトは肌感覚で感じ取ったのだろうか。そう考えると庭に蘭の温室があり、絵画が飾られているキルヒアイスの家よりもデカいのに、姉の手の届く範囲以外は何もないラインハルトの家がつらく思えてくる。

 また、友達のキルヒアイスは当初、ラインハルトを呼び捨てにし、対等の友達として扱っている。たぶんきっと、そのときに、ラインハルトは、「貴族として扱われなくても十分人間として敬意を払ってもらえるし、心配してもらえるし、寄り添ってもらえる」ということを学んだと思われる。

 前回視聴した時は、頭脳の資本は金なんだなとラインハルトとキルヒアイスのクソデカ屋敷を見て思ったけど、今はラインハルトとキルヒアイスの有様から、貴族支配の退廃が見えてくる。

 イケメンの憂い顔は最高だ。「ぶっフォッフォッフォッ」って気分になる。きっとこの謹直な憂い顔に惑わされたオッさんがいっぱいいたのだろう(※オッさんを狂わす美青年ばかりが出てくるSFというタレコミを思い出しつつ)

この「こいついずれラインハルトに謀反起こしそうだな」って顔のせいでキルヒアイスにはまった

 この時の「ラインハルト様が階段を一つ登るたびにひきずりあげられる」でキルヒアイスにハマった。演じている梅原さんのヴォイスにあてられた。
重圧の末にラインハルトに絶対謀反起こすからもう刮目して見なきゃと思ってた(実際はもっと悲しい結末だった)

 この時点では、まったくもって門閥貴族と自分たちは同じだと思っておらず、才幹によって自分たちは出世しているものだと思い込んでいたラインハルトがむしろ幼くて愛おしい。オフレッサーさんが「一度勝っただけでは(怒)」って怒ってたけど、そう言ってくれる硬派なむきむき(※石器時代の勇者)がローエングラム元帥府にいれば、ラインハルトとキルヒアイスとオーベルシュタインと三人揃って暴走することはなかったかもしれない。

 キルヒアイスにラインハルトがやってるのは身近な人間(幼馴染)に重要な地位を与えるという完璧な私情コミコミのコネである。でもって難しいのが、じゃあキルヒアイスがその重要な地位にふさわしくないのかといえばそうではない。開花すればカメレオン色の何でも出来る知将になれた。しかし、その才能をラインハルトは見抜いているふりをして一番見抜けていなかった。
 キルヒアイスを引きずり上げることで潰してしまったんだなあ……。コネ採用は、ズルだから悪いというのではなく、採用された側が引きずり上げられる際に周囲と摩擦を起こすことで、有能な人材を潰してしまうからじゃないのかなあ、とぼんやり考えた。ラインハルトはおばか鈍感なので引きずり上げるのに耐えられるけど、キルヒアイスは良識的な人間なので耐えられなかった。
 でも、じゃあずっと銀英伝世界で大佐でいろってのもおかしいしなぁ〜。

 キルヒアイス(30半ばくらい)vsヤンウェンリー(40前半くらい)セカンドステージが見たかった。絶対名戦になる。

シスコンを超えた何か

 3話のテーマとしてはラインハルトの生い立ちとここまでに至る動機が描かれているのだけれど、その最重要人物として出てくるのが。

 姉ちゃん。かわいい

(⌒▽⌒) って顔してる

古今東西のサブカル界で、姉を熱烈に敬愛している男はパワフルでエキセントリックだ(偏見)。
封神演義の燃燈道人とか。銀魂の沖田総悟とか。SPY×FAMILYのユーリ・ブライアとか。ノリもおかしいry
で、ラインハルトもその例に漏れず姉を熱烈に敬愛するタイプだと判明した。どうりでパワフルでエキセントリックなわけだ

 ただ、……。
 その肝心のラインハルトが見当たらないんだな〜……(・o・ ))(( ・o・) ドコ?

あねうえ〜〜っ♡

 この金髪男誰……?
 こんな金髪の好青年、銀英伝にいたっけか……( ´ ▽ ` )?

私の口のほうを合わせますよ♡とか5回読んでもよくわからないことを姉上の作ったケーキについて言っている謎の男。誰だろう。

んん?????? ラインハルトがいないな

姉上のお頼みに自ら足を動かす謎の誠実な好青年

 ユーモアにあふれる金髪の好青年はいるんだが……んん????

あっ、無事にラインハルトがいる。

 え??????? え?????? 今の金髪全部ラインハルトだったの?!!!!!!!!?
 ?!?!?!?!??!?!?!?!?!

 ちょっと何が起きてるのかよくわからな……んんん???????

 キルヒアイス、「*・゜゚・*:.。.ラインハルト様.。.:*。.:*・゜゚・*」とかキラキラヴォイスで語りかけてるけど、本心はこの謎の面白生物が面白すぎてコンビ組んでるだろ

銀河に異次元のシスコンがいる。彼はシスコンのあまり、銀河を手に入れようとしている——。(下山吉光ボイス)

まとめ

・ルドルフ大帝「メルヘンランドばんざい!!!!!」
・キルヒアイスの不審者をうまくあしらう才能
・あ、ありのまま起こったことを話すぜ!
「ラインハルト似の金髪のとんでもない好青年がいるとおもったら、ラインハルト本人だった」
何を言っているかわからねーと思うが 俺も何が画面で起きたのかわからなかった
シスコンとかそんなチャチなもんじゃねえ……もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 たぶんキルヒアイスと二人っきりでてれてれしている姉ちゃん。
 「弟をよろしくね」と、弟を通じて自分の目の届く世界にいるように懇願するのは、キルヒアイスに対する愛情のほとばしりなのだと気付かされた二周目。かわいい。かわいいぞ。皇帝もキルヒアイスもずっきゅんするぞ。ラインハルトは何がなくともズッキュンしてるけどな

姉ちゃんとキルヒアイスの結婚式待ってる!!!!! 


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