見出し画像

羽を広げて

   羽を広げて


「買値でいい」
とお釣りを多く頂くと僕は板塀の前で、

差額を自分のおこづかいにしました。
ただ自分が

好きな色のおみやげを選んでは、
鴨たちの気持ちを

慮っていませんでした。
それで黄緑色を足して、

やっと親鳥たちは喜んでくれて、
僕と一緒に飛んでくれました。

風を飲み込んでしまって、
しわがれた声で僕は、

「夢に夢にまで見た景色だよ」
と親鳥に手を振りました。

鳥たちは何も言わず、
人の声には慣れているようで、

大きいお金でも、
小さいときから家族と一緒に、

店番のお手伝いをしている
子供のように、

少しも驚かず、
羽を広げて風を受けていました。 

僕は今日のこと、
もう少し経ってから、

詩にしようと思いました。


良い文章を作れるように、 作るために、 大切に使わせて頂きたいと思います。