夢の通ひ路

こないだ、片思いをしていた人の夢を見た。
すっかり時が経っていたもので、よもや夢で顔を見たり話したりするなどとは思いもしなかった。

夢を見て、百人一首の歌を思い出した。

 住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人めよくらむ

私が好きだった歌だ。

今はすっかり日々の生活に追われ、毎日げっそりしている。どこかに出かけて誰かの顔を見たり、話したり、そういった機会も本当に少なくなった。
夢の中というわずかな時であっても、自分に向いてくれる顔があることが、自分にかけてもらえる言葉があることが幸せなことなのかもしれない。


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会わなくなった人、会えなくなった人、いっぱいいるけど、なんだか連絡を取るのも怖いし、ますます疎遠になっていきます。
孤立する私に夢の路だけでもどこかに繋がっていたら、良いなと思います。



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