ジョージクルー似ーを発注
私の親友Kちゃんは髪型をよく変える。
時には金髪、くるくるパーマだったり今風の韓国アイドルみたいな髪型だったり、49歳にもなって、純粋にいろんな髪型をするのが好きとかではなく、『モテたいんやマインド』がビシビシ伝わって来るのである。
嫁、子供もいる50を目の前にしたおっさんに、そろそろ親友として一言バシッと言ってやろうと、常日頃から思っていた。
単刀直入に『似合ってないよっ』
いや、いや、それは傷付ける。
Kちゃんは49歳だが中学2年生のメンタルを持ち合わす、ちなみに娘は中一、追い越されるのは時間の問題、それまでにストップ・ザ『モテたいんやマインド』なのである
そんな矢先である、Kちゃんが髪型を白髪に変えてきたのは。
吉川晃司や三浦カズ、マークパンサーならまだしも、よくも白髪にしたものだ、うむ!これが最後のチャンスだ、相手の出方を伺い、一歩出た瞬間に、、『似合ってないよっ!』をふり下ろす準備をした。
私『お!髪型変えたやん!?』
Kちゃん『うん!どう?』
私『いや、どうて、なんで白髪なん』
Kちゃん『いやジョージクルーニーやん』
私は大きく振りかぶった、しかし『似合ってないよっ!』を言えぬまま、斧をおいた、、敵ながらあっぱれ!全くスキなし。
私『いやその、、美容室でジョージクルーニーにしてって、言うたん?』
Kちゃん『それやと伝わらんから雑誌持っていって見せた』
凛とした態度で僕から一回も目を逸らさないKちゃんに、なんとの言えない恐怖を感じ、それ以上言葉を交わす事無く、コーヒーを一気に飲んで話は終わった。
家に帰って風呂に入って考えた、なるべく心を落ち着かせるために、入浴剤の柚子バブを2個入れた(何時もならバブ浮いて来るまでに答えが出るはず!)
オレンジの湯船に肩までゆっくり浸かり、なぜ恐怖を感じたのか冷静に、忖度無く、Q&A方式で考えてみた。
Q、ジョージクルーニーになりたい気持ち。
A、怖くない、そんな時もあるだろう。
Q、美容室にジョージクルーニーの雑誌を持っていく。
A、怖くない雑誌を持ち歩くのは自由だ。
Q、美容師の方にジョージクルーニーを発注。
A、少し怖い。
Q、美容師に『こんな感じでよろしいでしょうか、、汗』と確認される。
A、怖くないけどすごく恥ずかしい
Q、Kちゃん『めっちゃいい感じになりましたやん!』
A、ココ!強烈に怖い!(バブ2個とも握りつぶしてもた)
この一連の流れから自己陶酔し最後にジョージクルーニーに変幻してしまう。
Kちゃんにはこんな風景で見えているのであろう。
美容師『ミスタークルーニー、次回作のオーシャンズ17のイメージ通りの髪型にしましたが、いかかでしょう』
Kちゃん (ゆっくりタバコに火をつけて、深く一服、立ち上がりながら、鏡越しに)『いいね、これでいっとくはセニョール』
強烈に怖いのである。
自己陶酔する50前のボロボロおっさんの『モテたいんやマインド』は強烈に怖いのである。
始めてばっかりnoteの記事が奇跡的にKちゃんに届くことを祈る。
これは友達への余計なお世話、いや余計な愛情です。
悪しからず。
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