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追悼

瀬戸内寂聴さんが亡くなった

私がままならない現実と女である自分の魂の叫びに苦しんでいた時に、救われた1人

ドロドロとした女の情念を激しくも真っ直ぐに表現した著書に自分を重ねて

もがき苦しむ自分を認め肯定させてくれた

女が哀しく怖い存在だと、受け入れさせてくれた

一冊の著書は、「まさに私そのもの」と思え

そしてある実在の女性についての著書は、奇抜とも言えるその女性に魅了された


出家された事も、シンパシーを感じる

私の母はある宗教団体に属していた

母にとって戦争に翻弄された人生を救ってくれた団体

ただ私が生まれた頃は、幹部だった

だから私は幼稚園に通うまで母に毎日連れられ、それ以降も母の中心は宗教であった

その頃、母親が仕事を持って無ければ学童保育には通えない

毎日団体に通う母と、年齢の離れた姉妹の中の末っ子の私は、必然的に幼稚園から帰っても1人で家で過ごしていた

家の鍵が非力で開けられない

怪我をしても、危険だからと薬は子どもが取れない場所にある

私が熱があっても、腹痛で苦しんでいても出掛けてしまう母

そんな幼少期を過ごして、宗教団体には共感出来ないが、宗教観は刷り込まれている

仏教をしっかり学びたいと今でも思っている

ネガティブな時ほど、仏教の教えは身に染みる

煩悩に翻弄される人間の性を知らしめ、律する


寂聴さんの著書に出会い、煩悩にまみれた自分を見つめ

母を同性の1人の女性として観る事が出来るきっかけにもなった

感謝と哀悼の意を込めて


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