意味

脳みそがゆらゆら揺れる午前2時。全く意味をなさない電気ストーブがごうごうと音を立てていて、私は道で轢かれた蛙みたいに干からびていた。

粘膜が腫れ上がっていて息ができない。ため息を吐いた。咳が出た。

こんな最悪なことあるか。夢の中でまで自分が何のために生きているのか考えていたのだ。ダサすぎて笑えもしない。布団の中で膝を折ると、全身で虫が潰れたような感覚がした。

どうせ死んじゃうのだから好きなことをしよう、と思った。どんな過酷なことも、素晴らしい技術と経験が得られるなら受け入れようと思った。でも、もはやそんな事にすら意味があるのか分からなくなっている。どうせ死んでしまうのに、知識も経験もいるだろうか。ゴミみたいな絵を描いて、それを前に大泣きする毎日に嫌気が差している。描いても描いても満たされない。もはや描くのも辛い。私の中はハリボテだらけで、薄ら寒い綺麗さが不気味に笑っている。みんな私の絵が好きなんじゃない。私の若さと無邪気さを消費していただけで、目なんか開いちゃいなかった。私だって、私の絵なんか好きじゃなかった。どんなに知識を得ても技術を手に入れても、二番煎じじゃ意味がない。惰性で作った絵たちが鮮やかな色彩で笑っている、お前のことだぞ…

思わず助けてと唇が動いた。救われたいと呟いた。声は音にならなかった。そんなの甘えだと分かりきっていた。

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