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よく冷えた秋の夜明け前に

北海道へ渡り、今日で16年目になりました。


Winter Story Ⅱ

あの場所で見る夜明けはどんなだろう。

千葉の街の夜明け前の音に耳を澄ませながら
1人街外れの夜明けの森に日の昇るのをみにいきながら
関東の寒さでは治まらない頭の熱に悩みながら

私は北への郷愁にかられていました。
まさか数年後、本当に北の土地、北海道に暮らすことになるとは夢にも思わずに。

20年前に統合失調症を発症して精神病棟に入院してしばらく千葉で暮らしていましたが、このままでは自分はダメになってしまう、生き直しをしようと、ご縁あった北海道二風谷のアイヌ民族のビッグ・マザー、アシリレラさんの手紙をもって単身太平洋フェリーにのり、16年前のこの日北海道に降り立ちました。
北海道はちょうどキノコの季節でした。
たった1人、なにももたない精神障害者として北海道で暮らしはじめ、魂の大冒険のような日々を経た今ではレラさんが「あおいちゃんがここに初めてきたときは薬漬けの幽霊みたいだったよ!」と笑い話にするくらい元気になりました。
今の私には、想うと心がぽうっと温かくなり大切な人たちが沢山います。それはとても幸せなことで、16年目のこの日を感謝とともに迎えることができました。


この「Winter Story Ⅱ」という絵は、北の冬を迎える私の心象風景を描いています。雪の積もる冬の北海道の夜明けの色彩をイメージしました。
秋の始まりに描きましたが、厳しい北の冬の中でより強く感じられるいのちの温もりが私の北海道の暮らしで印象に強く刻まれているので、北海道に暮らす節目の時期に描いたのだと描き上げた今思います。

出会えた人たちに、心からの感謝を。
そしてまだみぬ街の夜明けへと
魂の冒険は続きます。

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