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丸山健二式日課・《語彙の三語三文》:手書き帖

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文字を扱うには語彙を増やす。 それを手で扱うことが第一。 手で書く。 三回書く。 ほんとうは手書きでやっているのを、noteように再度タイピングしました。
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記事一覧

《語彙の三語三文》:手書き帖 4.16〜4.22

  2417文字・15min 4/月16日(火) 【不逞・ふてい】 ⑴「不逞な輩は根絶せよ! 」 ⑵「キサマこそ不逞の匪徒(ひと)だ!」 ⑶「勝手気ままにふるまって、アナタ不逞だわ! 」 「毎晩、おれに抱かれるためにそのドアを開ける君は何者だい? 」 【匪徒・ひと】 ⑴匪徒・匪賊を根絶やせ! ⑵「だがね、君は澤くんを匪徒だとかいうが、ウチの界隈じゃあちょっとしたモンだぜ」 ⑶徒党を組んで匪徒が再来してきた。 【電光石火・でんこうせっか】 ⑴電光石火は夏目漱石がつくっ

《語彙の三語三文》:手書き帖 4.8〜4.15

2730文字10min 四月八日(月) 【馥郁たる・ふくいくたる】 ⑴馥郁たる梅の香り ⑵「馥郁たる子さーん!」 「ハーイ!」 「診察室五番からお入りください」 ⑶馥郁たれりこの梅、この桃、この女の太もも 【悴む・かじかむ】 ⑴寒すぎる。手足が悴んできた。 ⑵「手が悴んでハシがモテない」 「ブリッジのハシかい?」 ⑶悴む手女は千も万も擦る / 誓子 【拗ねる・すねる】 ⑴「マサル。そんなに拗ねるないでよ」 「なんだよマサヨそんなに拗ねなくても良いじゃないか」 「あのふ

丸山健二塾第三回(文章をドラマチックに書く) 映像は有料

5770文字・15min ■□■□■□ ◉前回丸山健二先生の改稿: 重油の匂いに溢れかえった浜。黒い波が寄せては返す。 カモメの代わりにカラスが群れている。 陽光が虚無を放っている。 風が踊り狂っている。 辺りには人っ子ひとりいない。 いや、誰かがいる。 娘だ。 そうではない、少女だ。 穢れた砂の上に横たわっている。 全裸だ。 僕はひざをつく。まじまじと顔をのぞき込む。知らず知らずくちびるに迫っている自分に気づく。 気配を察した少女は肩を小刻みに震わせる。 「寒いか」と訊

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《語彙の三語三文》:手書き帖 3.25〜4.7

5300文字・15min 三月二十五日(月) 【怪傑・かいけつ】 ⑴怪傑ゾロなどの固有名詞は名称通りに書く ⑵あれは! 怪傑ホンギルトン! いや、魁傑ホン・ギルトン(洪吉童)だ! ホン・ギルトンとは、かつて半島を喰いものにした日本軍をそのたぐいまれな武拳と運動神経をもって列島に撤退させた伝説的な少年兵として共和国にしられる。いまなお労働第一テレビで夕方から放送される国民的アニメ「魁傑! ぼくらのホン・ギルトン」。そのテレビはキム・スリンの子どもころの唯一の娯楽だった。ホン

《語彙の三語三文》:手書き帖 3.11〜3.24

三月十一日(月) 【爛れる・ただれる】 ⑴あなたの内臓が爛れるまえに、ワクチンを接種してください。 ⑵爛れる声から呼ばれた。 ⑶爛れよ! もっと焼けるように魂を爛れさせよ! 【聳やかす・そびやかす】 ⑴肩を聳やかしてあるく。 ⑵もっと己のプライドを高く、空に聳かせ。 ⑶敵陣は丘に要塞をつくった。巨大な鋼鉄の城は我々の眼前に聳やかされた。我々は戦慄にのまれた。 【厭う・いとう】 ⑴我、君を厭う。狂おしいほどに。 ⑵厭えども厭えども君が好きだ。 ⑶厭はれてこそ、愛。 三月

《語彙の三語三文》:手書き帖 3.3〜3.10

三月三日(日) 【埒・らち】 ⑴「まったく、このままじゃあ埒があかないぜ」 ⑵お前の話は埒もない。 ⑶この問題は課長の埒外だ。 【粉飾・ふんしょく】 ⑴この木に五千円分の粉飾を施してくれ。 ⑵年度末粉飾決算大バザール! ⑶「君、その顔は化粧か? 粉飾か?」 【押し並べて・おしなべて】 ⑴おしなべてこの手の問題は厄介だ。 ⑵今年の稲作はおしなべて豊作だ。 ⑶あの事件後、市民はおしなべて安堵に向かっている。 三月四日(月) 【陰険・いんけん】 ⑴陰険に僕を責めないでくれ

《語彙の三語三文》:手書き帖 2.24〜3.2

日記に入れていたのですが、日記から分けようと思います。 (マインドマップみたいに整理するととてもわかりやすいですね) noteの僕のサイト自体がじぶんの過去のマインドマップのようにさせたい。 noteを後にじぶんで見返すことのできる「検索用のキャビネット」になりますね。 計画は、毎日アップする時間はないです。 短歌で随時アップですので時間をとられすぎです。 日記は半月に一度にアップ。 《語彙の三語三文》:手書き帖は週に一度(一週間分)をメドに。 纏めてアップしたく思いま