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あなたたちが遊ぶとき、僕たちは生まれ変わる

繭から生まれた言葉 2 

神戸を舞台にした恋愛小説集『繭の中の街』からセレクトした言葉を、発売日までのカウントダウンがわりにお届けします。

「あなたたちが遊ぶとき、ぼくたちは生まれ変わる」
 合い言葉のようにきみは言い、私は「そうだった」と思い出す。
 レコード、もしくはCDプレーヤーのplayのボタン。私の母語にとっては単に「演奏する」、「遊ぶ」を意味するそのボタンに、彼の母語では「再生」――再び生きる/生まれるという壮大な名前がついているということを教えてもらったときには、驚きよりもほんの少し早く感動がやってきた。
 ということは、私たちは同じボタンを押しながら、まったく違うことをやっているのだ。

繭の中の街「let's get lost」


アーティストの森田晶子さんの幻想的な油絵、
神保町のアルビレアオさんの美しい装丁。
ずっと飾っておいていただきたい本になりました。

出会うこと、関係を作ること、そして喪うことまでも、
この世界でしか体験できないこと。
この小説が、怖れずにその体験に飛び込んでいく原動力になればと思います。


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