宇野碧 aoi uno 小説家

小説家です。自由になるための物語を書いています。 発信源はnoteのみなので、ここが読…

宇野碧 aoi uno 小説家

小説家です。自由になるための物語を書いています。 発信源はnoteのみなので、ここが読んでくださる方と出会う場になれば、と思っています。 『レペゼン母』(講談社) 『キッチン・セラピー』(講談社) 『繭の中の街』(双葉社)

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  • シェアハウス碧

    シェアハウスでゆるく共同生活をしながら、人生のあれこれについて小声でお話しするようなマガジンです。 個人的なこと、「これはシェアしたほうがいい」と思うことをダイレクトに書いています。 お好きな部屋でお過ごしください。 月4回ほど更新します。 下宿料は月500円、敷金礼金なしです。 #【仕事部屋】 執筆のバックヤード、小説の書き方など 創作の頭の中を公開しています #【キッチン】 食にまつわるエッセイ #【子供部屋】 子育てという混沌についてのルポ #【ライブラリー】 好きな本・映画・マンガ 未発表掌編小説 #【ベッドルーム】 恋愛・結婚のおはなし #【リビングルーム】 雑談 #【アウトドア】 旅についてのエッセイ

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小説家の宇野碧のnoteを見つけた方へ。

こんにちは。小説家の宇野碧と申します。 人と人の根源的な「わかりあえない」をヒップホップ×親子で紐解いた小説『レペゼン母』でデビューした者です。 未読の方はこちらをどうぞ 何のために書くのか。 それはもちろん、届けたいから。物語を通じて、伝わってほしいものがあるから。私にとっての小説や依頼を受けて書くエッセイは、メッセージを多くの人に届けるための方法です。 だけど一方で、 小説という器には入らないもの、 とてつもなく個人的だけどその向こうに知らない誰かにつながる気配があ

    • 未知子さんのこと【後編】

      「宇野さんにどうしてもお伝えしたいことがあるので、ちょっとでもお時間取れませんか?」

      • 佐藤未知子さんのこと

        佐藤未知子さんの絵と出会ったのは、本の中だった。 神戸市観光局の局長である潮崎さんが、街にまつわるあれこれを綴ったコラムをまとめた「みちくさKOBE」。 本を読み進めていた私は、「絵の中に遊ぶ、絵の中に生きる」と題されたそのページから動けなくなった。紙面に印刷された絵に、静かに、でも強い力で留め置かれたように。

        • 世界を翻訳する

          はるか昔、NHKの日本語講座の番組をみていて目からウロコだったことがある。 日本語学習者向けに、自然な日常会話を英語で教えるその番組で、「何かを断る時のフレーズ」を学ぶ回があった。 断るフレーズ……「いりません」とかかな?と思っていると、講師はこう言ったのである。 When you refuse something, you can use " chotto"

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        記事

          5月5日、way書店田辺東山店にてサイン会を企画していただきました! https://twitter.com/way_tanabe/status/1771720468556284232

          5月5日、way書店田辺東山店にてサイン会を企画していただきました! https://twitter.com/way_tanabe/status/1771720468556284232

          ウェブダヴィンチに『繭の中の街』書評が掲載されました。 デビュー作でもインタビューをしてくださった皆川ちかさん。 ありがとうございます! https://ddnavi.com/review/1261277/a/

          ウェブダヴィンチに『繭の中の街』書評が掲載されました。 デビュー作でもインタビューをしてくださった皆川ちかさん。 ありがとうございます! https://ddnavi.com/review/1261277/a/

          私的神戸案内

          新刊「繭の中の街」で神戸の街を描くにあたって、資料探しや取材のため、ここ10年ほど疎遠になっていたこの街をふたたび幾度か訪れることになった。 親密さよりは風通しの良さ、所属感よりは常に異邦人でいられるような気楽さをただよわせた街である。 西東三鬼が「神戸・続神戸」(何度読んでも名著!)で描いていたような、アナーキーな自由さは今はあまり感じられず、そういう性格は京都市の左京区あたりに移ったんじゃないかと思ったりするけれど(それも10年以上前の所感なので現在はわからない)、歌人

          21世紀の恋愛

          外国で生活している人の書くものが好きで、幻冬舎のウェブサイトで連載していたロンドン在住のコラムニスト・鈴木綾さんのエッセイもいつも読んでいた。 すると、こんな面白そうなイベントがあると知り、即申し込み。現地には行けないのでオンライン参加だけど、すごく楽しみだ。 鈴木綾さんのコラムは、英語圏(およびEU)で流行っている本やカルチャーを知ることができるのが魅力のひとつだけど、この課題図書「21世紀の恋愛」もここでなければ出会うことがなかったと思う。

          息子との深い対話

          なんとなく気になっては、いた。 親子関係がなめらかにうまくいっていない時というのは、いろいろ要因がある。どちらかが、あるいはどちらも体調が悪かったり、ずっと別のことに気をとられていて子供に注意を払えていなかったり、余裕のある時は丁寧に行えるケアを雑に済ませていたり、下の子に注意が偏っていたり。 子供の、むっつりした不機嫌な空気感としてそれは現われる。親に不満が溜まってるんだな、ということが。

          息子との深い対話

          恋というものだけは、どうすれば手に入るのかわからなかった

          繭から生まれた言葉 5 神戸を舞台にした恋愛小説集『繭の中の街』からセレクトした言葉を、発売日までのカウントダウンがわりにお届けします。 アーティストの森田晶子さんの幻想的な油絵、 神保町のアルビレアオさんの美しい装丁。 ずっと飾っておいていただきたい本になりました。 3月21日。 今日から書店に並びはじめます。 関西の書店さんでは、作中の場所をマッピングした神戸マップやショートストーリーがもらえるお店もあります。 出会うこと、関係を作ること、そして喪うことまでも、

          恋というものだけは、どうすれば手に入るのかわからなかった

          だからこそ君は 喪うこと をむしゃむしゃと食べつづける

          繭から生まれた言葉 4 神戸を舞台にした恋愛小説集『繭の中の街』からセレクトした言葉を、発売日までのカウントダウンがわりにお届けします。 アーティストの森田晶子さんの幻想的な油絵、 神保町のアルビレアオさんの美しい装丁。 ずっと飾っておいていただきたい本になりました。 出会うこと、関係を作ること、そして喪うことまでも、 この世界でしか体験できないこと。 この小説が、怖れずにその体験に飛び込んでいく原動力になればと思います。

          だからこそ君は 喪うこと をむしゃむしゃと食べつづける

          本が生まれるまで③

          新刊「繭の中の街」の出版までを実況中継する「本が生まれるまで」。前回の②に引き続き③をお届けします。 歴史好きの息子は、いつも絶対に答えられないマニアックなクイズを出してくる。 「ママ、クイズです。徳川綱吉の幼少期の名前は何でしょうかっ」 わかるわけがないので、この日もなげやりに答えた。 「ヒロシ」 「え?ヒロシ?」と息子が反応する。 「ヒロシってあの、年収三千万円のヒロシ?」 「誰だよ」 「知らないの?クレヨンしんちゃんのお父さんだよ」 そのヒロシ?藤原ヒロシとか舘ひろし

          本が生まれるまで③

          どこででも見られる花を、つかのま自分だけのものにするために俺はお金を払う

          繭から生まれた言葉 3 神戸を舞台にした恋愛小説集『繭の中の街』からセレクトした言葉を、発売日までのカウントダウンがわりにお届けします。 アーティストの森田晶子さんの幻想的な油絵、 神保町のアルビレアオさんの美しい装丁。 ずっと飾っておいていただきたい本になりました。 出会うこと、関係を作ること、そして喪うことまでも、 この世界でしか体験できないこと。 この小説が、怖れずにその体験に飛び込んでいく原動力になればと思います。 https://www.amazon.co.

          どこででも見られる花を、つかのま自分だけのものにするために俺はお金を払う

          顔を出さない

          写真に写るのはもともと、苦手だった。 日本にまだカメラが入ってきたばかりの時代は、「写真を取られると魂を抜かれる」と広く信じられていたらしいけれど、それと似たような感覚がある(ちなみに江戸でも明治でもなく昭和生まれだ)。 自分のコントロールがきかないところで、自分の姿が保存され、誰かの手元にあるというのはどうにも気持ちが悪い。カメラを向けられると、何かが侵害されるような感覚になる。 「みんなで写真撮ろう~」と言われたら文句を言わず一緒に入るくらいの社交性はあるけれど、かなり居

          あなたたちが遊ぶとき、僕たちは生まれ変わる

          繭から生まれた言葉 2 神戸を舞台にした恋愛小説集『繭の中の街』からセレクトした言葉を、発売日までのカウントダウンがわりにお届けします。 アーティストの森田晶子さんの幻想的な油絵、 神保町のアルビレアオさんの美しい装丁。 ずっと飾っておいていただきたい本になりました。 出会うこと、関係を作ること、そして喪うことまでも、 この世界でしか体験できないこと。 この小説が、怖れずにその体験に飛び込んでいく原動力になればと思います。

          あなたたちが遊ぶとき、僕たちは生まれ変わる

          言葉はすぐに酸化してしまう

          繭から生まれた言葉 Ⅰ 3月20日発売の、神戸を舞台にした恋愛小説集『繭の中の街』からセレクトした言葉を届けていきます。 アーティストの森田晶子さんの幻想的な油絵、 神保町のアルビレアオさんの美しい装丁。 ずっと飾っておいていただきたい本になりました。 出会うこと、関係を作ること、そして喪うことまでも、 この世界でしか体験できないこと。 この小説が、怖れずにその体験に飛び込んでいく原動力になればと思います。

          言葉はすぐに酸化してしまう