あの話をおじいちゃんがしてくれたのは、5歳位の時だっただろうか。 ママのおじいちゃんおばあちゃんの家は、お菓子の家にあるチョコのようなドアを開けると、左手側には2階に続く階段がある。その階段を登る途中にある出窓。私は妙にその出窓が気になり、「これなに?」とおじいちゃんに聞いたことがあった。 「おじいちゃんに会いにマツダセイコが来るんだよ。でもおじいちゃんはドアを開けないで、この窓を少しだけ開けて話すんだ。」 「•••(マツダセイコ)」 あれから約二十数年後、偶然か必然か
きっかけは小3の担任の先生との出会い。 いつものように日記の宿題を出すと、描写を意識して書くともっと良くなるよと先生は言った。 宿題も、朝の1分間スピーチも、学芸会の劇の台本も、何もかもにおいてオリジナルを作ることを大事にしていた先生。 ビョーシャ。漢字でどう書くか分からなかったけれど、なんとなくそれがどういうものかは理解し、それからは起きた出来事を鮮明に伝えたくて、日記帳を開いては音や香り、雰囲気、感情の変化を呼び起こし、作家先生よろしく文章を書くようになった。 子生意