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いつか、きみと・3-2

「うん。1つも2つも変わらないから」

タワーの管理は【国】がしているけれど、部屋の使用料は無料だし、基本的な食べ物、衣服もオーダーすると無料で届く。

基本的な生活は【国】が守ってくれている。

今みたいなシステムになる前には、家も食料も衣服も、すべて【自分たち】でなんとかしなきゃならなかった時代もあるみたい。

お金をたくさん集められる人は、大きな家に住んで高級な食材を持て余すほどオーダーしていたけれど、お金をたくさん集められない人たちは、小さな家で少しの食料をわけあって、朝から晩まで働いていた…って、テキストに書いてあったけれど実際はどうなんだろう。

どっちにしても、生活に必要なお金を集めるのはきっとすごく大変なことだと思う。

基本的な生活に必要なお金を【国】が用意するなら、【国】のお金はどこから調達するんだ!?
みんが怠けて働かなくなるだろう!

って議論も長い間続いたみたいだけど、自分が生きるために働かなきゃならない!っていう状況から、基本的な生活は守った上で働くってことに変わったあとの方が、国の財政はどんどん潤っていったらしい。

生活に必要なものを生産、流通するために、【人のチカラ】を使っていたけれど、【機械のチカラ】を使って、人間が機械を制御するって方法のほうがピッタリだったらしい。

生きるために必要なお金を集めていた時間を、生活を向上させるための仕事や、自分の人生を豊かにする時間として使ったら、人は怠けるどころかどんどん働く人が増えたらしい。

たとえば、新しい技術を開発する能力があったとしても、生活に必要なお金を集めることが最優先で、技術の開発に携わる機会がなかったら本来持っている能力を生かすことができないまま、開発も進まないし、その人の人生もお金集めに追われて過ごすことになってしまう。

そんなのは、とてももったいないと、わたしにだってわかる。

仕事をしてもらった報酬は、基本的な食べ物や衣服に当てはまらないものが欲しいときに使える。

たとえば、【手袋】とか、住んでいる人数以上の食べ物のオーダー。

昔は【お金】っていう、紙やコインを使っていたみたいだけど、今は数字で管理されている。
ウオッチがあれば、報酬も簡単に管理できて、いつでも使える。


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