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いつか、きみと・2-1

「はぁ…」

今日何回目かわからないため息を吐き出す。

【ウオッチ】と呼ばれる”それ”を見る。

ウオッチは、手首にまきつけて使う通信機器であり健康管理機器でもある。
音声やメールの通信はもちろん、脈拍や体温、血圧なんかも管理してくれる便利な機器で、生まれたときからみんなひとり1つ持っている。

彼ももちろんウオッチは持っていて、一日何度か連絡を取るのが日常になっていたけれど、もう3日も連絡がない。
3日くらい…と思う自分と、毎日連絡がきていたのに、なにもない3日はとても長いと思う自分がずっと葛藤している。

深く重たいため息を吐き出して、カリキュラムを開いていたディスプレイを閉じた。

リビングの大きな窓のそばに立つ。
もちろん、公園は見えない。

今日は少し雪が降っている。
外の寒さを想像するだけで、身震いをしてしまう。

~♪

彼と知り合うまで、【手袋】っていうグッズを手に取ることもなかったし、使うこともないと思っていたのに、こんな短期間で2つも注文するなんて思っていなかった。

配達のボックスに、わたしサイズの【手袋】が届いた。

…だけど、わたしは彼の部屋がどこにあるのか知らない。
会いにいきたくても、会う方法がわからない。

ため息と一緒に、手袋を机に置いた。

忙しいのかもしれない。
配達で少し遠くまで行っているのかもしれない。

5日後に会えるって約束したから…。
今はそれを信じるしかない。

…約束の日まで、あと2日。

腕を伸ばしてストレッチをしながら、ディスプレイの前に戻る。
カリキュラムの続きをやろう。
今、わたしができることはそれしかない。

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